デジタル大辞泉の解説
ふ・む【踏む/▽履む/▽践む】
1 足で体重をかけて上から押さえる。足であるものの上にのる。「麦を―・む」「猫のしっぽを―・む」「ブレーキを―・む」
2 交互に足を上げ下げする。「四股(しこ)を―・む」「地団駄(じだんだ)を―・む」
3 その場に身を置く。ある場所を訪れる。「ヨーロッパの土を―・む」
4 実際に経験する。「場数を―・む」「初舞台を―・む」
5 決まったやり方に従って行う。「複雑な手続きを―・む」
6 守り行う。「人として―・み行うべき道」
7 (「御百度を踏む」などの形で)お参りをする。参詣する。「願かけに御百度を―・む」
8 前もって見当をつける。見積もりや値ぶみなどをする。「どう―・んでも安物だ」
9 句の末や頭に同じ韻に属する文字を用いる。押韻する。「頭韻を―・む」
10 借金などを返さないで、相手に損害を与える。
「お前さんなんぞに借りてる物なんか、―・んで死ぬ様な吉里じゃあないからね」〈柳浪・今戸心中〉
11 地位に就く。「帝位を―・む」
12 信用取引で、売建玉を損を承知で買い戻す。
13 足で下のものを押さえつけて前へ進む。
「雨雲を袖して分くる山―・まむとは」〈かげろふ・下〉
14 足でさぐって魚介を捕る。
「女男の分かちなく、蜆蛤―・む姿」〈浄・三日太平記〉
[可能]ふめる
[下接句]韻を踏む・牛にも馬にも踏まれず・御百度(おひゃくど)を踏む・三尺去って師の影を踏まず・地踏鞴(じたたら)を踏む・地団駄(じだんだ)を踏む・水火(すいか)を踏む・前車の轍(てつ)を踏む・前轍を踏む・踏鞴(たたら)を踏む・轍を踏む・どじを踏む・虎(とら)の尾を踏む・二の足を踏む・場数を踏む・薄氷を履(ふ)む・場所を踏む・竜の鬚(ひげ)を撫(な)で虎の尾を踏む
ほ・む【▽踏む】
「大虚(おほぞら)を―・みて、御諸山(みもろのやま)に登ります」〈崇神紀〉