(読み)ナン

デジタル大辞泉 「軟」の意味・読み・例文・類語

なん【軟】[漢字項目]

常用漢字] [音]ナン(慣) [訓]やわらか やわらかい
やわらかい。「軟球軟膏なんこう軟骨軟弱硬軟柔軟
おだやか。「軟禁軟派軟風軟着陸
難読軟障ぜじょう・ぜぞう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「軟」の意味・読み・例文・類語

なん【軟・&JISEECC;】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動ナリ・タリ ) やわらかいこと。しなやかなこと。おだやかなこと。また、そのさま。⇔。〔往生要集(984‐985)〕
    1. [初出の実例]「銅質は軟にして器械に適せず」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
    2. 「心忽ち動き、体稍々軟として綿の如し」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉五)
    3. [その他の文献]〔施肩吾‐夜宴曲〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「軟」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(異体字)
16画

[字音] ナン・ゼン
[字訓] やわらか・しなやか・よわい

[字形] 形声
正字はに作り、(ぜん)声。字はまた軟に作り、多くその字を用いる。而(じ)は髪を切って(こん)とした形。はその人の正面形で、結髪しない巫祝の姿である。〔説文〕人部八上に「(なん)はなり」「儒は柔なり」とあり、に柔弱の意がある。はその声義を承け、〔史記、貨殖伝〕に「妻子」とみえる。軟はおそらく(なん)の字形から出たもので、(ぜん)は人の後ろからその秘部にふれる形。人体において最も柔軟なところである。それで羞じて赧(あか)らむことを赧(たん)という。

[訓義]
1. やわらか、しなやか。
2. よわい、もろい、やさしい。

[古辞書の訓]
名義抄〕軟 ヤハラカニ・ヤハラカナリ・シワ・ヨワシ・ヘヘヤカナリ/軟車 スズロナルクルマ

[語系]
軟()・njiuanは同声。nuan、懦nuai、嫩nun、njiaはみな声義近く、すべて柔軟・弱なものをいう。は〔説文〕八上に「柔皮なり」とみえる。

[熟語]
軟化軟滑軟款軟監・軟脚・軟弓・軟絹・軟言・軟語・軟紅・軟弱軟柔・軟熟軟障軟塵軟翠・軟声・軟・軟節軟懦軟纏軟軟・軟盤・軟半軟媚・軟舞・軟風・軟壁・軟歩軟飽軟輿軟爛・軟輪・軟和・軟話
[下接語]
婉軟・温軟・甘軟・嬌軟・軽軟・香軟・硬軟・柔軟・潤軟・清軟・軟・舌軟・風軟

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android