軽水(読み)ケイスイ

デジタル大辞泉 「軽水」の意味・読み・例文・類語

けい‐すい【軽水】

軽水素酸素とからなる水。普通の水のこと。重水に対していう。
[類語]真水淡水海水汽水深層水海洋深層水塩水えんすい塩水しおみず鹹水かんすい鉱水石灰水重水軟水硬水

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精選版 日本国語大辞典 「軽水」の意味・読み・例文・類語

けい‐すい【軽水】

  1. 〘 名詞 〙 ふつうの水のこと。分子量の多い重水と区別する場合にいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軽水」の意味・わかりやすい解説

軽水
けいすい
light water

軽水素(プロチウム1Hのこと)と酸素16Oとからなる水のこと。重水素からなる水を重水というのに対してこのようにいう。通常の水は約0.26%の重水を含んでいるので、軽水と重水の混合物ということになり、これを常水ということもある。しかし一般には通常の水を含めて軽水ということが多く、たとえば中性子減速材として重水を使う重水型原子炉に対して、通常の水を減速材に用いる原子炉を軽水型原子炉などといっている。

[中原勝儼]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軽水」の意味・わかりやすい解説

軽水
けいすい
light-water

重水素Dを含む重水 D2O に対して,普通の水 H2O を区別していう場合に用いる。原子炉工学では,軽水は重水に比べて中性子吸収断面積がはるかに大きいという難点はあるが,手軽に大量に入手できる利点があり,原子炉の減速材,冷却材反射材,遮蔽材,コンデンサ冷却水など広く用いられる。軽水減速冷却方式の原子炉では,核燃料としておもに濃縮ウランが使われる。

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世界大百科事典(旧版)内の軽水の言及

【重水】より

…したがって天然の水の中にはこれらのすべての組合せ,すなわちH216O,HD16O,D216O,H217O,……が含まれている。厳密にいえば,これらのうちH216O(酸化プロチウムまたは軽水と呼ばれる。天然の水の大部分はこれなので,天然水を軽水と呼ぶこともある)を除く他のものはみな重水のはずであるが,17Oや18Oを含むもの(重酸素重水)を16Oを含むものから完全に分離することは技術的に困難で,主として蒸留による濃縮法が利用されるが,純粋なものは得がたい。…

【水】より

…このように水の研究は近代化学の発展の最も重要ないとぐちの一つとなったものである。
[軽水と重水]
 水は天然に得やすく,精製しやすい物質であるから,19世紀以来,多くの物理量の基準として利用されてきた。たとえば,純水1lの質量を1kgとし,純水の融点を0℃,沸点を100℃とし,また1gの水の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量を1calとするなどである。…

※「軽水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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