(読み)こ

精選版 日本国語大辞典 「辜」の意味・読み・例文・類語

こ【辜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はりつけ。〔制度通(1724)〕〔周礼夏官小子
  3. 罪。とが。
    1. [初出の実例]「君子無辜而有不幸」(出典読本春雨物語(1808)海賊)
    2. [その他の文献]〔書経‐大禹謨〕
  4. 陰暦一一月の異称。〔撮壌集(1454)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「辜」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音]
[字訓] つみ・ころす

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 形声
声符は古(こ)。辛は刑罰として入墨するときの針器。辜とは入墨を加える刑をいう。〔説文〕十四下に「(つみ)なり」とあり、は自(鼻)に入墨することを示す字で、罪の初文。古文字形は〔詛楚文(そそぶん)〕にみえ、〔説文〕四下とする字形に近く、犠牲として殺す意であろう。〔周礼、夏官、小子〕に「沈辜して侯禳す」、また〔周礼、春官、大宗伯〕に「辜(ひよくこ)」というときの辜は、犠牲として殺する意であるから、入墨の辜とは異なり、古文のにあたる字かと思われる。

[訓義]
1. つみ、入墨のつみ。
2. ころす、犠牲としてころす、はりつけ。
3. 固と通じ、ささえる、とめる。

[古辞書の訓]
名義抄〕辜 ツミ 〔字鏡集〕辜 ソムク・ツミ・ナシ

[熟語]
・辜月辜功辜較辜罪辜讎辜人・辜辜毒辜負辜戮
[下接語]
罪辜・重辜深辜・沈辜・不辜・伏辜・辜・無辜・論辜

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