今日では,外出中道に迷ったり,親にはぐれたりなどした子どもをいうが,古くは,原因不明の幼児の失踪を指す〈神隠し〉と同義であった。明治時代の中ごろまで,ときにはそれ以後も,農山村や都市で,とくに農村では麦の刈入れに忙しい春の一時期,時間的には夕刻の薄明のころに,突然子どもが原因不明の失踪をすることが少なくなかった。そんなとき,人々は子どもが天狗や狐狸(こり),あるいは鬼や隠し婆などに連れ去られたのだと考えて,町内の衆が手に手にちょうちんを携えて集まり,鉦(かね)や太鼓をたたきながら,関東では〈まいごのまいごの○○やーい〉,関西では〈かやせ,もどせ〉と唱えて,夜どおし近辺をねり歩いたという。その後,いわゆる意識の近代化が進む過程で,〈神隠し〉というような観念は徐々に失われるようになったが,その痕跡は,住所,氏名,親の名まえなどを記して,常時,子どもに身につけさせておく〈迷子札〉が,高度経済成長期の始まるころまで人々の間にかなり一般的であったことなどに投影されていたということができよう。
執筆者:高田 公理
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…捨子が見いだされた町村住民の養育負担法は以後も問題となったが,この負担を避けるため,住民自体が他所から子を捨てにくる者への監視を強めることになり,かえって人目につかぬ地への,拾い手を期待できない捨子を増加させた。捨子と迷子との区分も問題となり,幕法では歩行可能なものは迷子とした。以後,捨子養育負担問題をふくめて捨子廃絶策が論じられたが,間引きの廃絶策と共通の問題となり,人口調べの徹底と妊婦登録制を必要とするに至った。…
※「迷子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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