追付く(読み)オイツク

デジタル大辞泉 「追付く」の意味・読み・例文・類語

おい‐つ・く〔おひ‐〕【追(い)付く/追(い)着く】

[動カ五(四)]
追いかけて先に出たものに行き着く。「先発隊に―・く」
能力技術などが目標とするものに達する。「先進国の技術に―・く」
多く「おいつかない」の形で用いる)間に合う。取り返しがつく。埋め合わせがつく。おっつく。「今さら後悔しても―・かない」
[類語]追う追い掛ける追い詰める追い越す追い抜く追い上げる追い込む追跡追尾深追い急追猛追尾行付け回す追い回す跡を追う跡をつける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「追付く」の意味・読み・例文・類語

おい‐つ・くおひ‥【追付・追着】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
    1. 先に進んでいる者に、後から追いかけて達する。追いしく。追っつく。
      1. [初出の実例]「女いとかなしくて、しりにたちて追ひゆけど、えをいつかで」(出典:伊勢物語(10C前)二四)
    2. 力や能力、技術などが、目標となるものに達する。先行しているものと同じ水準に達する。追っつく。
      1. [初出の実例]「フルシチョフ氏は、後七年たてば、アメリカに追ひつくと言ってゐる」(出典:ソヴェトの旅(1964)〈小林秀雄〉)
    3. ( 多く打消、または疑問表現を伴って ) 損失や不利益などが解消される。埋め合わせがつく。取り返しがつく。間に合う。追っつく。
      1. [初出の実例]「相続税はごつおまっさかい、米や松茸売った金では追ひ付きまへんもんなア」(出典:太政官(1915)〈上司小剣〉四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
    1. 追いかけて行って、ある場所に至らせる。
      1. [初出の実例]「大友皇子を追ひ給ふに、近江の国大津といふ所に、をひつけてたたかふに」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一五)
    2. 何かをしたあと間をおかずに続けて事を行なう。追いかける。
      1. [初出の実例]「障子を引て入らむとするを、夫、〈略〉さしも心あさかりし事を思ひ出して、追(ヲイ)付けて云やう」(出典地蔵菩薩霊験記(16C後)五)

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