通り一遍(読み)トオリイッペン

デジタル大辞泉 「通り一遍」の意味・読み・例文・類語

とおり‐いっぺん〔とほり‐〕【通り一遍】

通るついでに立ち寄っただけで、深いなじみではないこと。振り。「通り一遍の客」
うわべだけで誠意のないこと。また、そのさま。「通り一遍のあいさつ」
[類語]おざなり官僚的形式的儀礼的事務的・形だけ・紋切り型高圧的威圧的強圧的機械的規則的権威主義先例主義型通り杓子しゃくし定規

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「通り一遍」の意味・読み・例文・類語

とおり‐いっぺんとほり‥【通一遍】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 通りがかりに立ち寄った客で、平素からの馴染(なじみ)でないこと。
    1. [初出の実例]「おなじみはかくべつ。〈略〉わたしどもはとふり一っへん」(出典:洒落本・広街一寸間遊(1778))
  3. 事務的であったり、単なる義理としてするだけで真心からの行ないではないこと。うわべだけで誠意のないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「今朝やまだ通り一へん初時雨〈悦春〉」(出典:俳諧・ゆめみ草(1656)冬)
    2. 「子息(むすこ)心底から思ってする行為(こと)も母の眼には通り一遍の御世辞で」(出典:生(1908)〈田山花袋〉二)

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