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連環記 れんかんき

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世界大百科事典 第2版の解説

れんかんき【連環記】

幸田露伴の小説。1940年(昭和15)《日本評論》に発表。露伴73歳,晩年の華やぎの頂点に位する作。平安時代中期の高僧たちの事跡を,往生伝や説話類によりながら,環を連ねるように順次に配列し,描きだしている。《五重塔》のような古風な美文調でも《運命》のような格調高い漢文調でもなく,くつろいだ語り口調の口語体で記されており,場合によっては砕けすぎの感じを与えることもなくはない。しかし全体の中心にある三河守大江定基の発心を語る条で,彼が現世の愛欲の道を行きつくした果てに仏の道に入る次第をたどるとき,一見さりげない語り口は,人間世界の最低と最高の領域を同時に覆うことのできる言葉の力として感得される。

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デジタル大辞泉の解説

れんかんき〔レンクワンキ〕【連環記】

幸田露伴短編小説。昭和16年(1941)「日本評論」誌に発表。露伴最後の作品で、慶滋保胤(よししげのやすたね)を中心に、平安時代の高僧と彼らをとりまく人々のつながりを描いた史伝。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

連環記
れんかんき

幸田露伴(ろはん)の短編小説。1941年(昭和16)4、7月、『日本評論』に発表、同年8月刊行の小説集『幻談(げんだん)』に収録された。慶滋保胤(かものやすたね)(寂心)の出家に筆を起こし、愛する女の死に世の無常を知った大江定基(さだもと)(寂照)が発心して、寂心に師事する経緯と、師の没後、入宋(にっそう)した寂照が異国で入滅するまでを、自在で格調の高い文体で描いている。その間、菅原文時(すがわらのふみとき)、赤染衛門(あかぞめえもん)、丁謂(ていい)らとの交渉が、あたかも環をかけ連ねてゆくような手法で描かれ、人間の織り成す幽秘な生の営みと、それを超えて茫洋(ぼうよう)と流れた歴史の大きな時間とを彷彿(ほうふつ)する。露伴の最晩年を飾る傑作で、東洋哲学を基盤として、日本の近代に対する鋭い批評を込めた作品になっている。[三好行雄]
『『露伴全集6』(1953・岩波書店)』

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