自動車の運転に必要な知識や技能を持っているとして、各都道府県公安委員会が運転を許可していると証明するもの。重量や排気量などで分類され、自家用の車やバイクなどを運転する「第1種免許」は普通、準中型、中型、大型、自動二輪など10種類で、普通などにはオートマチック車限定もある。路線バスやタクシーなど旅客運送が目的の車を運転できるのは「第2種免許」で、普通第二種や大型第二種など5種類。免許取得のための練習や試験で車を運転する際に必要な「仮免許」もある。第1種と第2種の有効期間は違反の有無や年齢によって異なるが最長5年。
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自動車取締令は大正八年(一九一九)に交付されたが、挙例の改正時に「運転免許」という言葉が用いられた。
自動車および一般原動機付自転車を適法に運転することのできる法的資格。行政法上の許可の一種。「免許」と略称される。日本では道路交通法に規定されている。運転免許がないのに自動車等を道路で運転することは、無免許運転として処罰される(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)。2024年(令和6)末の運転免許保有者数は約8180万人である。
[田村正博 2025年11月17日]
運転免許には、通常の運転に必要な第一種免許と旅客自動車運送事業(バス、タクシー等の事業)で旅客を乗せて運転する場合に必要となる第二種免許とがある。
第一種免許は、自動車等の車種に応じて、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許、普通二輪免許、小型特殊免許、原付免許、牽引(けんいん)免許の10種類がある。車両の後部に総重量750キログラムを超える車(トレーラーなど)を連結して、引きながら運転するには、運転する車の免許に加えて、牽引免許を受けていなければならない。自動車等は車両総重量や最大積載量、乗車定員などによって区分される。大型特殊自動車とはショベルカーなど、小型特殊自動車とは小型の農耕作業車などである。なお、道路運送車両法による区分とは一致しないことに注意を要する。
普通免許で運転が可能なのは、車両総重量が3.5トン未満かつ最大積載量が2トン未満かつ乗車定員10人以下の自動車と、小型特殊自動車および原動機付自転車に限られる。二輪以外の特殊でない自動車の場合、①車両総重量11トン以上、最大積載量が6.5トン以上または乗車定員30人以上のものは大型自動車で大型免許の対象、②車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量が4.5トン以上6.5トン未満または乗車定員11人以上29人以下のものは中型自動車で中型免許の対象、③車両総重量3.5トン以上7.5トン未満、最大積載量が2トン以上4.5トン未満かつ乗車定員10人以下のものは準中型自動車で準中型免許の対象となる。これらの免許を受けた者は、それぞれ対象の自動車のほか、より小さな自動車の運転が可能である(たとえば中型免許では、中型自動車のほか、準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車、一般原動機付自転車の運転が可能である)。他方、自動二輪車(側車付の場合を含む)については、二輪以外の免許では運転できない。総排気量400ccを超えるものは大型自動二輪車であって、大型二輪免許を要する。なお、三輪以上でも走行の特性が二輪の自動車と同様のものは、二輪の自動車とみなされる。保有している運転免許で運転できない種別の車両を運転すると、無免許運転となる。
総排気量50cc(電動の場合は定格出力0.6キロワット)以下の二輪車または総排気量125cc以下であって最高出力が4キロワット以下の二輪車は、「一般原動機付自転車」として、原付免許の対象となる。普通免許等を保有していれば、運転が可能である。道路運送車両法では、総排気量125cc以下(電動の場合は定格出力1.0キロワット以下)までを「原動機付自転車」としているが、50ccを超えたもの(最高出力が4キロワット以下のものを除く。第二種原動機付自転車。通称「原付二種」)は、道路交通法上は自動二輪車に該当する。一方、人の力に対する補助力として作用するもので一定の条件を満たしたもの(駆動補助機付自転車〈いわゆる電動アシスト自転車〉)は、自転車として扱われ、運転免許を要しない。また、一定の基準を満たす電動キックボード等については、特定小型原動機付自転車として扱われ、運転免許を要しない。
第二種免許には、大型第二種免許、中型第二種免許、普通第二種免許、大型特殊第二種免許および牽引第二種免許の5種類がある。準中型二種免許は設けられていないため、準中型自動車を旅客自動車運送事業で運行するには中型第二種以上の免許が必要である。
[田村正博 2025年11月17日]
取得可能な年齢は、大型免許は21歳、中型免許は20歳、準中型免許・普通免許・大型特殊免許・大型二輪免許・牽引免許は18歳、普通二輪免許・小型特殊免許・原付免許は16歳である。大型免許および第二種免許は、普通免許等を受けていた期間が3年、中型免許は2年なければ受験資格がない。ただし、受験資格特例教習を修了した19歳以上の者は、普通免許等を受けていた期間が1年以上あれば、特例として、大型免許、中型免許および第二種免許の受験資格が与えられる。試験は、適性(視力要件等)、技能(原付および小型特殊を除く)および学科について行われるが、指定自動車教習所で教習を受け、技能検定に合格した者は、技能試験が免除される。大型、中型、準中型および普通の試験は公道で行われるので、その練習および試験等を受けるために、仮免許を受けなければならない。仮免許の期間は6か月間、免許保有者が横に同乗してその指導を受け、練習であることを示す標識をつけていれば、練習のために運転をすることができる。試験に合格した者には運転免許を与えなければならないが、一定の病気にかかっている者等については、免許が拒否され、あるいは一定期間保留される場合がある。このほか、普通免許等については、取得時講習を受けていることが免許取得の要件とされている(原付免許の場合は、走行方法等についての実技訓練を含めた原付講習を受けていなければならない)。
オートマチック車(自動変速機搭載車両。AT車)で技能教習、技能試験を受けた場合、運転可能車両をオートマチック車に限定する条件が付された免許(AT限定免許)が付与される。そうでない車両(マニュアル車)を運転した場合には、無免許ではなく、免許条件違反となる。「AT限定」という条件を解除してマニュアル車(MT車)の運転を可能とする免許とすることは、運転免許試験場で審査を受けて合格するか、指定自動車教習所で技能審査に合格すれば認められる。
[田村正博 2025年11月17日]
運転免許は、住所地を管轄する都道府県公安委員会が運転免許証を交付することで与えられる。免許を受けた者の住所・氏名・生年月日、有効期間の末日、免許の種別、条件(たとえば眼鏡の着装。AT限定。そのほか、運転免許の種別が変更された場合に、それまで運転可能であった車両の限度で新たな免許が認められるときは、運転可能な車両の範囲を限定する条件が付されている)等が記載され、本人の顔画像が表示される。ICカード化され、本籍・国籍は表面に記載されないようになっている。自動車等を運転するときは免許証またはマイナ免許証(特定免許情報記録個人番号カード)を携帯していなければならない。マイナ免許証とは、マイナンバーカードのICチップに運転免許証情報の一部(有効期間の末日、免許の種別、条件等)を記録したもので、運転免許保有者は、運転免許証のみ、マイナ免許証のみ(運転免許証を返納)、運転免許証とマイナ免許証の2枚持ちのいずれかを選択する。
運転免許証の有効期間は、原則として5年間(誕生日の1か月先の日まで)であるが、更新時(有効期間の満了日)に70歳の者は4年、新規取得者、初回更新者、違反運転者(複数または重い違反歴のある者)、ならびに更新時に71歳以上の者については3年(新規取得者の場合は取得日から3回目の誕生日の1月先の日までの間)となる。有効期間が満了する前の2か月の間に、更新をしなければならない。更新時には、適性検査が行われるほか、優良運転者(5年間無事故無違反で、免許証に優良と表示される。「ゴールド免許」ともよばれる)、一般運転者、違反運転者、初回更新者の別に更新時講習が行われる。高齢者(更新時に70歳以上の者)については更新手続きの前に高齢者講習を受けていることが更新の要件となる。更新時に75歳以上の者の場合は、認知機能検査を受けることが義務づけられるほか、普通自動車を運転できる免許保有者(大型免許、中型免許、準中型免許または普通免許の一つ以上を保有している者)で一定の違反歴があるときは、運転技能検査に合格しなければ更新されない。
[田村正博 2025年11月17日]
免許取得後に道路交通法等に違反する行為をし、累積点数が一定の基準に該当した者は、運転免許の効力の一時停止の処分を受ける。重大な違反をした場合または重大な交通事故を起こした場合には、運転免許の取消し処分が都道府県公安委員会によって行われる。このほか、一定の病気にかかっている者については、取消しや効力の一時停止の対象となる場合がある。
[田村正博 2025年11月17日]
身体機能の低下等を考えて、自動車の運転を止めるため、申請をして運転免許の取消しを受けること。返納後5年以内に申請をすれば本人確認書類として使用可能な運転経歴証明書の発行を受けることができる。自主返納した高齢者に対してタクシー料金を割り引くなどの支援を行う地域もある。一方、安全な自動車に限って運転を継続するという中間的な選択肢として、申請に基づいて、運転できる自動車の種類をサポートカー等に限定する条件を付す制度も設けられている。
[田村正博 2025年11月17日]
自動車は歩行者や自転車より大きな重量と速度をもって道路上を移動するので,一つ誤ると他人に迷惑をかけると共に自己の安全を損なうこととなる。したがって交通秩序の維持・遵守,他の交通との協調,およびこれらに必要な知識と運転技能が要求され,道路上での自動車の運転には世界の多くの国で運転免許の取得が義務付けられている。日本では道路交通法に定められ,車種に応じて大型免許(20歳以上。ただし,車両総重量11t以上の大型車,ダンプカーなどは21歳以上),普通免許,大型特殊免許(共に18歳以上),二輪免許,小型特殊免許,原付(原動機付自転車)免許(共に16歳以上),けん引免許(18歳以上)があり(以上,第一種運転免許),これらの免許を取得するために道路上で運転練習を行うためには仮免許(3ヵ月有効)が必要である。また旅客を運ぶバス,タクシーには第二種運転免許(21歳以上)が必要であり,それには大型,普通,大型特殊,けん引の別がある。
運転免許の試験は,運転に必要な適性,技能,知識について公安委員会が行う。安全運転には安全評価力,規範遵守力をはじめ,視認力,注意力,分析力,判断力,動作確実性,動作迅速性などが要求される。したがって,免許試験の適性試験では視力,色彩識別能力,深視力,聴力,運動能力が,技能試験では運転装置の操作能力,法規に従って運転する能力,運転姿勢その他安全運転能力が,学科試験では運転に必要な知識が試験される。これらの試験のうち小型特殊免許と原付免許の場合は技能試験が,けん引免許は学科試験が免除され,また公安委員会の指定を受けた教習所で所定の教習をうけ技能検定に合格した者は技能試験が免除される。試験合格者に交付される運転免許証は運転中携帯の義務があり,本人の3回目ごとの誕生日が更新期限と定められている。運転免許は精神病者や盲人など運転に支障のある身体障害者,薬物等の中毒者には与えられず,免許を持っている者がこれらの状態になった時には取り消される。また,法令に違反して人身事故を起こした者,暴走行為者なども免許の取消しや停止処分の対象となる。国際運転免許証の発給を受ければ発給の日から1年間外国で運転できる。免許証の更新期間は国によってまちまちで,普通免許では,ドイツ,フランス,オーストリア等は終身,スウェーデン,ノルウェーでは10年,オランダは5年などとなっている。日本の免許保有者は1996年末で6990万人(うち女性2790万人),免許適齢人口(16歳以上)の保有率は67%に達している。なお,汽車,電車の運転については,国家試験の制度はなく,各企業が教育を行い,試験に合格した者に資格を与えている。
執筆者:景山 久
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