達磨山(読み)だるまやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「達磨山」の意味・わかりやすい解説

達磨山
だるまやま

静岡県、伊豆半島北西部にある山。標高982メートル。沼津市戸田(へだ)と伊豆市の境界に位置する。更新世(洪積世)に活動した火山で、輝石安山岩質溶岩を流出させた楯状(たてじょう)火山といわれる。火口は戸田大川沿いの新田南東部と考えられている。北斜面は沼津市西浦から駿河(するが)湾奥の内浦湾に面し、緩斜面はミカン園となっている。西斜面は解体が進み、急な海食崖(がい)をもって駿河湾に臨むが、御浜(みはま)岬で囲まれる戸田港がある。南部は船原峠以南の棚場火山(たなばかざん)に接し、東斜面は緩やかな原面が残り、狩野(かの)川低地に接する。戸田峠と船原峠を結ぶ西伊豆スカイライン稜線(りょうせん)部を通り山頂からの富士、南アルプス、駿河湾などの展望は優れている。

北川光雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「達磨山」の意味・わかりやすい解説

達磨山 (だるまやま)

静岡県伊豆半島北西部の火山。標高982m。山頂は伊豆市の旧修善寺町,旧天城湯ヶ島町,沼津市の旧戸田(へた)村の境界に位置する。湯ヶ島層群を基盤とし,主として洪積世の輝石安山岩質の溶岩からなる楯状火山で,溶岩の厚さは約500mほどである。火口は開析されて不明であるが,西麓の戸田新田南東付近といわれ,山体も南北方向の断裂系の発達によって変形している。東側の山腹緩斜面は原形を残しながら狩野(かの)川の河谷に達する。内浦湾に面する北側の斜面もゆるやかな山腹をもち,古くから樹園化されて西浦ミカンの産地となっている。西側は浸食された急斜面が駿河湾にのぞみ,海食崖の地形を発達させるが,戸田湾沿岸部にはわずかに沖積低地が見られる。山頂付近の稜線には戸田峠と船原峠を結ぶ西伊豆スカイライン(2004年無料開放)が走り,展望に恵まれる。達磨山キャンプ場も開設され,修善寺温泉からバスが通じている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「達磨山」の意味・わかりやすい解説

達磨山
だるまやま

静岡県東部,伊豆半島北西部にある楯状火山。標高 982m。沼津市と伊豆市との境に位置する。山体の西半部は駿河湾に面し,海食によって開析された古い火山。頂上付近を西伊豆スカイラインが通り,山麓にはキャンプ場がある。富士箱根伊豆国立公園に属する。

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