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遠山祭 トオヤママツリ

デジタル大辞泉の解説

とおやま‐まつり〔とほやま‐〕【遠山祭】

長野県飯田市南東部の遠山地区で、12月上旬から翌年1月上旬にかけて行われる湯立て神楽霜月祭

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大辞林 第三版の解説

とおやままつり【遠山祭】

長野県下伊那郡遠山地方で12月に行われる神事。湯立により託宣を下していたものが、心身を浄め息災を祈る神楽として芸能化している。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遠山祭
とおやままつり

長野県遠山地方、飯田(いいだ)市の旧南信濃(みなみしなの)村と旧上(かみ)村の各集落で12月上旬から下旬にかけて行われる湯立神楽(ゆだてかぐら)。もと霜月(しもつき)(旧暦11月)に行われたので霜月祭、祭りのなかで村人が押し合いをするので押し祭ともいう。この祭りは、元和(げんな)年間(1615~24)に百姓一揆(いっき)で殺された領主遠山土佐守(とさのかみ)一族の怨霊(おんりょう)を鎮めるために始めたといい、仮面の舞のなかの「八社の神」は遠山一族の霊をかたどると伝えている。長野、静岡、愛知の3県が接する県境地帯には、冬祭、お潔(きよ)め祭、花祭などとよばれる同種の霜月の湯立神楽が分布しているので、遠山祭は湯立の神事に遠山一族を慰霊する行事が結び付いたものとみられる。
 祭りの次第と内容は南信濃村と上村では異なり、また集落によっても小異がある。全国の神々を勧請(かんじょう)する神名帳(じんみょうちょう)を読み上げ、神々に湯を献ずる湯立と祈祷(きとう)、さらに湯ぎよめの舞が繰り返し行われる。湯立が終わると美しい襷(たすき)を掛けて舞うたすきの舞などがあり、神面(しんめん)の舞になる。神面の舞は地区によりまちまちだが、八社の神のほか、稲荷(いなり)、山の神、火の王、水の王、天伯(てんぱく)など神面の役が次々に出て舞う。舞の最中に村人も舞人とともに跳びはね押し合う。最後に神送りの式を行って終わる。国指定重要無形民俗文化財。[渡辺伸夫]

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世界大百科事典内の遠山祭の言及

【霜月祭】より

…北九州の丑の日祭,奥能登のアエノコト,天草や長島の山祭,中国地方の先祖講,ダイジョウ講のほか,各地の氏神祭や大師講などが代表的なものといえる。また三遠信の国境地帯の遠山祭,冬祭,花祭や秋田県保呂羽(ほろは)山の霜月神楽のように神楽形式の祭りを行う場合も多い。南島の霜月祭,冬折目は本土とは異なり,里芋,甘藷,山芋など芋類の収穫祭となっており,より古い形ではないかとみられている。…

【遠山郷】より

…農業は稲作がほとんど行われず,山の急斜面に開かれた畑や焼畑でのムギ,アワ,ヒエ,ダイズなどの雑穀栽培が主で,特産としてコンニャク栽培も盛んであった。また12月から1月にかけて遠山郷の村々で行われる遠山祭は,秋の収穫祭と御霊(ごりよう)信仰とが結びついた湯立て神楽で,代表的な霜月神楽の一つとされており,百姓一揆で殺された遠山氏一族の怨霊を鎮めるために始められたと伝えられている。【菊池 健策】。…

【民俗芸能】より

…祭場の中央で煮立てた湯を神に献じ,神の息吹きのかかったその湯をまわりの人々に浴びせることで魂の再生をはかろうとする。これも鎮魂の意義をもつ神楽で,巫者が採物で神を迎え,のちに仮面の神役が出て鎮魂の所作を行う形が愛知県の花祭や,長野県の遠山祭,冬祭などにみられる(霜月神楽)。また獅子頭(ししがしら)を御神体と仰ぎ,それを捧げて人家を訪ね,悪魔払いの祈禱舞を演じる風が,東北の山伏神楽や番楽,関東・関西の太神楽などにある。…

※「遠山祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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