遥けし(読み)ハルケシ

デジタル大辞泉 「遥けし」の意味・読み・例文・類語

はる‐け・し【×遥けし】

[形ク]空間的、時間的、心理的に遠くはなれている。
「ほととぎす鳴く音―・し里遠みかも」〈・三九八八〉
もろこしも夢に見しかば近かりき思はぬなかぞ―・かりける」〈古今・恋五〉
[類語]遠い遠め程遠い間遠まどお遠く遥かはるばる遠方遠隔遠路迂遠うえん悠遠遼遠長途遠距離僻遠へきえん万里以遠

はろ‐け・し【遥けし】

[形ク]はるけし」の音変化。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「遥けし」の意味・読み・例文・類語

はる‐け・し【遙けし】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「けし」は接尾語 )
  2. 空間的に遠く隔たっている。
    1. [初出の実例]「ぬばたまの月に向ひてほととぎす鳴く音波流気之(ハルケシ)里遠みかも」(出典万葉集(8C後)一七・三九八八)
  3. 時間的に遠く隔たっている。
    1. [初出の実例]「人めゆゑのちにあふ日のはるけくはわがつらきにや思ひなされん〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四三四)
  4. 心理的に遠く隔たっている。
    1. [初出の実例]「もろこしも夢にみしかば近かりき思はぬなかぞはるけかりける〈兼芸〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七六八)

遥けしの派生語

はるけ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

遥けしの派生語

はるけ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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