歌舞伎(かぶき)俳優。6世まで継承。
[古井戸秀夫]
(1744―1815)大坂生まれ。江戸に下り初世尾上菊五郎に入門、尾上松助を名のって初舞台を踏む。屋号新音羽屋(しんおとわや)。若女方(わかおんながた)として狂言作者金井三笑(さんしょう)に抜擢(ばってき)されたのち、実悪(じつあく)に転向。「加賀見山」の岩藤(いわふじ)を一代の当り役として今日にまでその型を残した。幼時竹田芝居のからくりの技術を学んだことから、人形を使っての早替りや、鬘(かつら)、化粧、衣装などの細工に、他の役者が追随しえない独自のくふうをし、異能俳優として江戸劇壇に確たる地位を得た。1804年(文化1)に、夏芝居ながら初めて座頭(ざがしら)を勤めた『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』が大当りをとり、以後晩年は隠居名松緑(しょうろく)を名のり、夏芝居の怪談狂言を家の芸として確立、やがて、この技術が養子3世尾上菊五郎の『四谷怪談』に大成される。2世はその3世菊五郎の前名で、3世は2世の長男が継いだが大成しなかった。
[古井戸秀夫]
(1843―1928)本名栗原梅五郎。5世菊五郎の門弟。1881年(明治14)襲名。屋号音羽屋。脇役(わきやく)の名人で、数多い当り役のなかでも『源氏店(げんじだな)』の蝙蝠安(こうもりやす)は、15世市村羽左衛門(うざえもん)の与三郎、6世尾上梅幸(ばいこう)のお富とともに三幅対(さんぷくつい)と称せられた。
[古井戸秀夫]
(1887―1937)本名福島幸吉。5世菊五郎門弟。6世菊五郎の脇役として活躍した。
[古井戸秀夫]
(1946―2005)本名井上真一。2世松緑の門弟松鶴(しょうかく)が1990年(平成2)に襲名。子役時代はテレビドラマでも活躍した。
[古井戸秀夫]
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報
歌舞伎俳優。5世まである。(1)初世 初世尾上松緑の前名。(2)2世 3世尾上菊五郎の前名。(3)3世(1805-51・文化2-嘉永4) 3世菊五郎の長男として江戸に生まれ,1815年(文化12)3世松助を襲名。父に従って修業し,48年(嘉永1)大川三朝と改名したが,3年後大成せずに没した。(4)4世(1843-1928・天保14-昭和3) 大坂生れ。5世菊五郎の弟子。81年4世松助を襲名。渋い味の脇役として名声を上げ,名人といわれた。《与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)(切られ与三)》の蝙蝠安は有名。(5)5世(1887-1937・明治20-昭和12) 東京生れ。5世菊五郎の弟子。1935年5世松助を襲名。6世菊五郎の脇役として活躍した。
執筆者:井草 利夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
明治〜昭和期の歌舞伎俳優
明治〜昭和期の歌舞伎俳優
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
(井草利夫)
(石橋健一郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
「尾上菊五郎(3世)」のページをご覧ください。
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出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…2世まで。(1)初世(1744‐1815∥延享1‐文化12) 初世尾上松助が1809年(文化6)11月江戸市村座で松緑と改名した。大坂生れで1755年(宝暦5)尾上菊五郎の門弟となり,61年尾上松助となる。…
…歌舞伎俳優。5世まである。(1)初世 初世尾上松緑の前名。(2)2世 3世尾上菊五郎の前名。(3)3世(1805‐51∥文化2‐嘉永4) 3世菊五郎の長男として江戸に生まれ,1815年(文化12)3世松助を襲名。父に従って修業し,48年(嘉永1)大川三朝と改名したが,3年後大成せずに没した。(4)4世(1843‐1928∥天保14‐昭和3) 大坂生れ。5世菊五郎の弟子。81年4世松助を襲名。渋い味の脇役として名声を上げ,名人といわれた。…
…寛政年間(1789‐1801)以降,刺激的・衝撃的な戯曲を求める志向が強まるにおよんで,観客を恐怖させる目的の怪談狂言が現れた。1804年(文化1)河原崎座初演の《天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)》(4世鶴屋南北作)における乳母五百機(いおはた)の霊(初世尾上松助所演)がその嚆矢(こうし)とされる。松助はこの役で,乱れ髪や漏斗(じようご)と称する先細りの裾の鼠色の衣装などを円山応挙の絵を参考に工夫し,また引込みには仏壇へ飛びこむなどの手法で演じ,観客を驚かせた。…
…だが,南北の才能も,個性の強烈な実力派の役者たちがいてこそ花開いたものである。初世尾上松助(松緑),5世松本幸四郎,5世岩井半四郎,3世坂東三津五郎,7世市川団十郎,3世尾上菊五郎らの実力と個性をよく見きわめ,彼らの芸の魅力を十分に計算した上での作劇の成功が,南北を名作者たらしめたのである。南北の作品の中で,とくに〈色悪〉〈悪婆〉という新しい人間像の典型が確立したことも忘れられない。…
…歌舞伎俳優。5世まである。(1)初世 初世尾上松緑の前名。(2)2世 3世尾上菊五郎の前名。(3)3世(1805‐51∥文化2‐嘉永4) 3世菊五郎の長男として江戸に生まれ,1815年(文化12)3世松助を襲名。父に従って修業し,48年(嘉永1)大川三朝と改名したが,3年後大成せずに没した。(4)4世(1843‐1928∥天保14‐昭和3) 大坂生れ。5世菊五郎の弟子。81年4世松助を襲名。渋い味の脇役として名声を上げ,名人といわれた。…
…歌舞伎俳優。5世まである。(1)初世 初世尾上松緑の前名。(2)2世 3世尾上菊五郎の前名。(3)3世(1805‐51∥文化2‐嘉永4) 3世菊五郎の長男として江戸に生まれ,1815年(文化12)3世松助を襲名。父に従って修業し,48年(嘉永1)大川三朝と改名したが,3年後大成せずに没した。(4)4世(1843‐1928∥天保14‐昭和3) 大坂生れ。5世菊五郎の弟子。81年4世松助を襲名。渋い味の脇役として名声を上げ,名人といわれた。…
…歌舞伎俳優。5世まである。(1)初世 初世尾上松緑の前名。(2)2世 3世尾上菊五郎の前名。(3)3世(1805‐51∥文化2‐嘉永4) 3世菊五郎の長男として江戸に生まれ,1815年(文化12)3世松助を襲名。父に従って修業し,48年(嘉永1)大川三朝と改名したが,3年後大成せずに没した。(4)4世(1843‐1928∥天保14‐昭和3) 大坂生れ。5世菊五郎の弟子。81年4世松助を襲名。渋い味の脇役として名声を上げ,名人といわれた。…
…歌舞伎俳優。5世まである。(1)初世 初世尾上松緑の前名。(2)2世 3世尾上菊五郎の前名。(3)3世(1805‐51∥文化2‐嘉永4) 3世菊五郎の長男として江戸に生まれ,1815年(文化12)3世松助を襲名。父に従って修業し,48年(嘉永1)大川三朝と改名したが,3年後大成せずに没した。(4)4世(1843‐1928∥天保14‐昭和3) 大坂生れ。5世菊五郎の弟子。81年4世松助を襲名。渋い味の脇役として名声を上げ,名人といわれた。…
…丸顔の4世の純情な味と違って,面長で受け口の5世の坊主姿には扇情的な倒錯の美学があり,それが頽廃的な幕末の世相に合って大当りをとり,改題改作されながらも今日まで舞台生命を保つことになった。全体の構成,部分部分の趣向などは,数ある清玄桜姫物のうち,1810年(文化7)市村座で上演された尾上松助主演,鶴屋南北作の夏狂言《閨扇墨染桜(ねやのおうぎすみぞめざくら)》をほぼなぞり,弥生狂言にふさわしく《鏡山(かがみやま)》(《加賀見山旧錦絵(かがみやまこきようのにしきえ)》)の狂言が新たにはめ込まれている。松助の演じた清玄を半四郎が演じ,松助の当り役《鏡山》の岩藤を団十郎が受け継ぐ構想で書かれ,そのため松助一流の早替りや蛇の仕掛物が随所に用いられる。…
※「尾上松助」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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