都々逸坊扇歌(初代)(読み)どどいつぼう・せんか

朝日日本歴史人物事典 「都々逸坊扇歌(初代)」の解説

都々逸坊扇歌(初代)

没年嘉永5.10.29(1852.12.10)
生年:文化1(1804)
江戸末期の音曲師。医師岡本玄作の次男。名は子之松,のち福次郎。常陸国佐竹村(茨城県常陸太田市)の生まれ。江戸へ出て船遊亭扇橋に入門。美音で当意即妙,謎とき唄や俗曲「とっちりとん」をよくし,音曲界のスターとなった。天保2~4(1831~33)年には名古屋で話題になったが,活躍の場は主として江戸であり,天保改革(1842)で寄席の音曲が禁じられたのちも三味線で謎ときを続けた。弘化3(1846)年には専用の駕籠で3軒の寄席を掛け持ちし,日収7,8両を得ている。禁令を犯してのことで絶頂期は短く,放浪の末に没した。<参考文献>石川淳諸国畸人伝

(倉田喜弘)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「都々逸坊扇歌(初代)」の解説

都々逸坊扇歌(初代) どどいつぼう-せんか

1804-1852 江戸時代後期の音曲師。
文化元年生まれ。江戸の落語家初代船遊亭扇橋の門人となる。天保(てんぽう)9年より牛込藁店(わらだな)の寄席に出演,とっちりとん,即席都々逸で人気を博した。嘉永(かえい)5年10月25/29日死去。49歳。常陸(ひたち)(茨城県)出身。姓は岡。名は福次郎。通称は枡屋福次郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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