鄂州(読み)がくしゅう

精選版 日本国語大辞典 「鄂州」の意味・読み・例文・類語

がく‐しゅう‥シウ【鄂州】

  1. 中国地名武昌古名で、現在は湖北武漢市の一部揚子江漢江合流点にあたる要地。〔戴復古‐到鄂渚詩〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鄂州」の意味・わかりやすい解説

鄂州
がくしゅう / オーチョウ

中国中部、湖北(こほく)省南東部の長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))南岸にある地級市。武九線(武昌(ぶしょう)―九江(きゅうこう))および武九高速鉄道、武石城際鉄道(武漢(ぶかん)―黄石(こうせき))に沿う。3市轄区を管轄する(2016年時点)。人口110万2000(2014)。秦(しん)代に鄂県が置かれ、三国時代の呉のとき武昌県と改称。1913年寿昌(じゅしょう)県、翌1914年鄂城県、1960年市となったが、1961年県に復し、1979年県の中心地区に市制が敷かれた。1983年鄂城市と鄂城県をあわせて鄂州市となった。

 地下資源はとくに鉄が豊富で大冶(だいや)鉄山の一部をなし、製鉄セメント造船化学肥料などの工業が立地する。周辺は米、小麦、ワタナタネアブラナ)、サツマイモを産する農村で、梁子湖(りょうしこ)では魚類蓮根(れんこん)を産する。とくに梁子湖産の武昌魚(ダントウボウ)は特産として有名。

[河野通博・編集部 2017年8月21日]

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百科事典マイペディア 「鄂州」の意味・わかりやすい解説

鄂州【がくしゅう】

中国,湖北省南東部の新興工業都市。長江南岸,武大鉄路(武漢〜大冶)沿線にあり,冶金・機械・造船・化学肥料・建築材料・紡織・食品などの工業が盛ん。三国時代の呉王避暑宮,東坡赤壁などの名所旧跡がある。110万人(2014)。

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世界大百科事典(旧版)内の鄂州の言及

【武昌】より

…晋が汝南県を置き,南朝宋も汝南県を置いた。隋は江夏県とし,唐では武昌軍節度使の駐地となり,五代,宋には鄂(がく)州,元では武昌路,明・清では武昌府の治所となり,明の湖広省,清の湖北省の省都とされた。この地は長江中流の要衝で,水上交通の一中心でもあったので,古来から南北勢力必争の地となったが,ことに宋末1259年(開慶1),モンゴルのフビライはこの地を包囲し,一挙に宋を滅ぼそうとした鄂州の役は有名である。…

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