種々の単味飼料ならびに飼料添加物を配合し,家畜,家禽(かきん),魚類などの飼育目的に適合するように,栄養素をバランスよく含ませて調製された飼料。栄養のバランスがよく,保存性が高く,しかも使用法が簡便なことが特徴で,近年,日本では生産量,流通量が著しく増加した。配合飼料の形状は給与する動物の飼育目的にあわせて,粉状のマッシュ,粒状に成形したペレット,ペレットをあら砕きしたクランブルなどいろいろある。配合飼料は従来,養鶏用が主体をなしてきたが,今では養豚用,養牛用,養魚用も多くなった。これらは,いろいろな生産目的で飼育される家畜,家禽,魚類などの養分要求量が明らかにされるにつれて,つぎつぎ新しくつくられてきた。家畜,家禽用配合飼料は,主原料が穀類,ぬか・ふすま類,植物油かす類,農産物製造かす類,動物質飼料であり,副原料が特殊飼料,飼料添加物などである。配合飼料の製造にあたっては,栄養価,価格,嗜好性,色沢,粉砕粒度など多くの要因を考慮し,単味飼料をいくつも組み合わせていくが,最近ではコンピューターを用いて,飼育目的に適合した製品をもっとも経済的につくるようになっている。日本で登録された配合飼料には公定規格があり,その製造にあたってはそれに適合した配合設計が行われている。配合飼料は日本では一般に市販されているものを指すが,アメリカなどでは農家が自家生産の穀類を協同組合などへ運んでつくることが多い。
執筆者:宮崎 昭
タンパク質含量は40~50%のことが多く,畜産用のものの2倍以上である。このタンパク質源として大部分は北洋魚粉が用いられている。粉末状のものはおもに練り餌用である。脂質については貯蔵期間中の酸化を避けるため,給餌直前にタラ肝油などを添加,吸着させるのが普通であるが,あらかじめ脂質を10~20%含ませたソフトタイプのものも製造されている。日本における配合飼料は1960年代初頭にニジマスで実用化されたのが始まりで,現在はウナギ,コイ,ニジマスなど淡水魚の大部分が配合飼料で飼育され,マダイ,ハマチ,クルマエビなど海面養殖でも一部使用されている。
→飼料
執筆者:山口 勝巳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
家畜の種類や用途別に、必要な栄養分を十分まかなえるように、いろいろな飼料を適切な割合で混合したものをいう。自家配合をする場合もあるが、一般には市販のものが利用されることが多い。飼料原料の大部分は輸入され、港に建設されたプラントで、ただちに加工と配合が行われ、製品化されている。
[西田恂子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…最近では粗繊維含量が18%以上で,可消化養分総量が50%程度もしくはそれ以下のものが粗飼料と呼ばれることが多い。そのほか市場性によって,自給飼料と流通飼料に,内容物によって単味飼料,混合飼料,配合飼料に分けられる。混合飼料は2種以上,数種の飼料を混合したもので,配合飼料に比し,一般に養分がかたより,そのまま単一で給与されることを目的としないで調製されたものである。…
…自然界で水産動物が捕食する天然の飼料は,動物であれ植物であれ,そのほとんどが生きた餌である。しかし養殖が盛んになるにつれて,生き餌である天然餌料から,生鮮餌料,乾燥餌料をへて,やがて人工的に加工された配合餌料(配合飼料)が多く使用されるようになった。これが人工飼料と呼ばれているものである。…
※「配合飼料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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