酸性肥料(読み)サンセイヒリョウ

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精選版 日本国語大辞典 「酸性肥料」の意味・読み・例文・類語

さんせい‐ひりょう‥ヒレウ【酸性肥料】

  1. 〘 名詞 〙 酸性を呈する肥料。肥料そのものが酸性を呈するものと、植物微生物作用によって土壌が酸性を呈するものとがある。過燐酸石灰、硫酸アンモニアなどの類。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「酸性肥料」の意味・わかりやすい解説

酸性肥料
さんせいひりょう

肥料を水に溶かしたときに水溶液の反応(pH)が酸性を呈する肥料。肥料の酸性は、肥料配合や化成肥料の製造の際、あるいは施肥に伴う土壌反応の変動を考えるうえに重要な性質である。実際の農業においては、肥料そのものは酸性でなくても、植物根による不均衡な養分吸収の結果、跡地土壌が酸性となる生理的酸性肥料も、土壌反応の変動のうえでは酸性肥料と同じ作用をもつ。

 酸性肥料には、リン酸第一アンモニウム、リン酸一カルシウム、リン酸一カリのような酸性塩、過リン酸石灰重過リン酸石灰のような主成分は微酸性を示すにすぎないが、製品中に遊離の酸を含むもの、グアニル尿素のような強酸と弱塩基の塩がある。また生理的酸性肥料としては、硫安、塩安、硫酸カリ、塩化カリ、下肥などがある。日本の土壌は改良が進んで酸性土壌は少なくなったが、多くの肥料が酸性もしくは生理的酸性肥料であるので、ときどき石灰を施し、土壌の酸性を中和する必要がある。

[小山雄生]

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百科事典マイペディア 「酸性肥料」の意味・わかりやすい解説

酸性肥料【さんせいひりょう】

土壌を酸性化しやすい肥料。水溶液が酸性反応を示す化学的酸性肥料と,そのままでは中性であるが,植物が吸収した後に副成分が残りそれが酸性を呈する生理的酸性肥料がある。前者には過リン酸石灰,重過リン酸石灰など,後者には硫酸アンモニウム硫酸カリウムなどが属する。連用により酸性化した土壌(酸性土壌)は石灰を施して中和する。→アルカリ性肥料
→関連項目肥料

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