野岳湖(読み)のだけこ

日本歴史地名大系 「野岳湖」の解説

野岳湖
のだけこ

[現在地名]大村市東野岳町

標高二六五メートルの地にある貯水湖。堤高二一メートル、堤頂長一四五メートル、周囲四キロで、農業灌漑用水池の役割をもつ。寛文元年(一六六一)捕鯨で財をなした深沢儀太夫勝清は大村藩による溜池造成に資金を投じ、惣奉行大村純成・小奉行沢勢重幸のもとに着工、惣入用四千二〇〇両を費やして同三年に完成。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「野岳湖」の意味・わかりやすい解説

野岳湖
のだけこ

長崎県中央東部、多良岳(たらだけ)の西方にある溜池(ためいけ)の名称。大村市東野岳町に属する。周囲約4キロメートル。1661年(寛文1)からおよそ二か年をかけて完成。総工費約4200両。灌漑(かんがい)面積はおよそ100ヘクタール。築造者の深沢儀太夫勝清(ふかざわぎだゆうかつきよ)は大村出身で、青年期に紀州(和歌山県)熊野(くまの)で捕鯨の技術を学び帰郷後、大村・彼杵(そのぎ)を本拠として西彼杵半島の西方角力灘(すもうなだ)・五島(ごとう)灘を中心に近海捕鯨を営み、巨万の富を得た。その財力で大村藩の財政に貢献、公益事業をおこし、また寺院建立に喜捨した。なかでも藩内各地に溜池をつくり、農業開発を促進した。野岳湖はその一つである。

[石井泰義]

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デジタル大辞泉プラス 「野岳湖」の解説

野岳湖

長崎県大村市、鉢巻山の東麓に位置する溜池。周囲4キロメートルで、周辺は公園として整備され、キャンプ場運動広場、親水広場などがある。寛文年間に九州捕鯨の草分けとされる鯨長者・深澤儀太夫が4200両もの大金を大村藩に提供して築造したもの。「野岳ため池」の名称で農水省「ため池百選」に選定されている。

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