野面(読み)ノヅラ

デジタル大辞泉 「野面」の意味・読み・例文・類語

の‐づら【野面】

1 野のおもて。野原。「野面を渡る風」
2 山から切り出したままで加工してない石の表面。また、その石。
3 恥を知らない、あつかましい顔。鉄面皮てつめんぴ。
「此処等から一番―で遣やっつけよう」〈鏡花・高野聖〉
[類語]野原・原・野・平原・広野ひろの・広野こうや・広原・高原・原っぱ・松原・草原そうげん・草原くさはら・草地・野中・野良・野末・田野

の‐も‐せ【野▽面】

《野も狭いほどにの意を表す「野も狭せに」の「野も狭」を一語とみなしたところから》野原一面。また、野のおもて。のづら。
「よられつる―の草のかげろひて涼しくくもる夕立の空」〈新古今・夏〉

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精選版 日本国語大辞典 「野面」の意味・読み・例文・類語

の‐づら【野面】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 野原の表面。野原。
    1. [初出の実例]「のづらに育つやぶの梅」(出典:合巻・正本製(1815‐31)初)
  3. ② 切り出したままで加工してない自然の石のはだ。また、自然のままの石。野面石。
    1. [初出の実例]「露滑らかに苔蒸して、手がかりもなき野づらの石」(出典:浄瑠璃・曾我虎が磨(1711頃)上)
  4. ③ 「のづらづみ(野面積)」の略。
    1. [初出の実例]「野づらの石垣麦藁塀要害うとしと申せ共」(出典:浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)五)
  5. ④ 恥を知らないしゃあしゃあとした顔。平気な顔。素知らぬ顔。あつかましい顔。鉄面皮(てつめんぴ)。あつかわ。
    1. [初出の実例]「言葉のおちをとられては、のづらにあらざる塵をひねり」(出典:評判記・赤烏帽子(1663)序)
  6. ⑤ 芝居の大道具の一つ。村はずれなどの背景。

の‐も‐せ【野面】

  1. 〘 名詞 〙 ( 野も狭くなるほどいっぱいにの意の「野も狭(せ)に」の「野も狭」を一語と解し、「に」を格助詞と解したことによる語 ) 野の面(おもて)。のづら。
    1. [初出の実例]「つてにきく袖にも露はおきかへりのもせの虫の音にもおとらず」(出典:大斎院前御集(11C前)下)

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世界大百科事典(旧版)内の野面の言及

【石垣】より

…城郭の石垣の古いものは,大割りした石をそのまま積み,石の大きさはふぞろいで,すき間が大きく,こう配も緩い。これを野面(のづら)と呼んだ(図1)。しかし,城郭の大規模化とともに,城壁の出隅のように構造および防御上の弱点となる部分から,しだいに精密に加工した石材が用いられはじめ,高く急こう配の石垣が生まれた。…

※「野面」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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