金素雲(読み)キムソウン

デジタル大辞泉 「金素雲」の意味・読み・例文・類語

キム‐ソウン【金素雲】

[1907~1981]朝鮮詩人随筆家釜山プサン生まれ。筆名鉄甚平てつじんぺい。1920年に渡日し、「朝鮮民謡選」「朝鮮童謡選」等を刊行戦後帰国して「現代韓国文学選集」を編纂へんさんした。ほかの著に「三韓昔がたり」、自伝「天の涯に生くるとも」など。きんそうん。

きん‐そうん【金素雲】

キム=ソウン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金素雲」の意味・わかりやすい解説

金素雲
きんそうん / キムソウン
(1907―1981)

韓国(大韓民国)の詩人、随筆家。釜山(ふざん/プサン)生まれ。13歳で渡日、苦学する。北原白秋に認められて1929年『朝鮮民謡集』(泰文館)を出したのを手始めに、朝鮮口伝童謡・民謡の採集翻訳、現代詩の紹介を行った。土田杏村(きょうそん)の尽力で33年『諺文(おんもん)朝鮮口伝民謡集』(第一書房)を刊行、同じ年に本書の歌詞番号による抄訳『朝鮮童謡選』『朝鮮民謡選』が岩波文庫に加えられた。40年に訳詩集『乳色の雲』(河出書房)を刊行。42~43年、鉄甚平の名も使用。45年2月に帰国。52年ベネチア国際芸術家会議に出席の途中、日本に立ち寄った際の発言もとで韓国政府により帰国の途を閉ざされ滞日。65年の帰国後『現代韓国文学選集』全5巻、『韓国美術全集』全15巻などの日本語訳、『韓日辞典』『金素雲随筆選集』全5巻などの編纂(へんさん)、刊行がある。朝鮮文化と伝統の美を日本人に知らせることに生涯を捧(ささ)げた。

[任 展 慧]

『『金素雲エッセイ選Ⅰ・Ⅱ』(1981・サイマル出版会)』『金素雲著『天の涯に生くるとも』(1983・新潮社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「金素雲」の意味・わかりやすい解説

金素雲 (きんそうん)
Kim So-un
生没年:1907-81

朝鮮の詩人,随筆家。釜山生れ。13歳で渡日。苦学の後,北原白秋らの知遇を得て《朝鮮民謡集》(1929)を手始めに朝鮮口伝の童謡・民謡の採集と翻訳,現代詩の紹介を行った。《諺文朝鮮口伝民謡集》(1933)は,現在韓国でも方言研究の貴重な資料となっている。本書をもとに岩波文庫から《朝鮮民謡選》《朝鮮童謡選》を刊行。解放直前に帰国。1952年ベネチアでの国際芸術家会議出席の途中,日本に立ち寄った際の発言がもとで韓国政府により帰国の途を閉ざされ滞日。1965年帰国後《韓日辞典》《現代韓国文学選集》全5巻,《金素雲随筆選集》全5巻等の編纂,翻訳,刊行がある。朝鮮の文化と伝統の美を日本人に知らせることに生涯を捧げた。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金素雲」の解説

金素雲 キム-ソウン

1908-1981 韓国の詩人。
隆煕2年1月5日生まれ。1920年(大正9)来日。北原白秋にみとめられ,母国の民謡や童謡,歴史などを紹介する。第二次大戦終結直前に帰国,1952年再来日したおりの発言がもとで帰国をはばまれるが1965年帰国,日韓の文化交流につくした。1981年11月2日死去。74歳。釜山出身。開成中学中退。編著に「諺文(オンモン)朝鮮口伝民謡集」「朝鮮詩集」など。

金素雲 きん-そうん

キム-ソウン

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百科事典マイペディア 「金素雲」の意味・わかりやすい解説

金素雲【きんそうん】

朝鮮の詩人,翻訳家,随筆家。13歳で日本に渡り34年間にわたって滞在した知日家として知られる。《諺文朝鮮口伝民謡集》(1933年)は新聞の読者投稿による民謡を原文のまま日本で出版したもの。翻訳には《朝鮮民謡選》《乳色の雲》《朝鮮詩集(前期・中期)》《三韓昔がたり》などがあり,随筆に《恩讐三十年》《アジアの四等船室》などがある。

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367日誕生日大事典 「金素雲」の解説

金 素雲 (きむ そうん)

生年月日:1907年12月5日
朝鮮の詩人,児童文学者,随筆家
1981年没

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金素雲」の意味・わかりやすい解説

金素雲
きんそうん

「キム・ソウン(金素雲)」のページをご覧ください。

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