日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉱山測量」の意味・わかりやすい解説
鉱山測量
こうざんそくりょう
鉱山に関する測量で、坑外測量、坑内測量および坑内外連結測量に分けられる。坑外測量には、鉱区の境界測量、鉱区内外の地形測量、坑口、露頭その他坑外主要設備位置測量などがある。これらは一般のトランシット、レベルあるいは平板などを用いて行われる。坑内測量には、掘進坑道・採掘場の進展測量、向い掘り坑道の貫通測量、鉱床の採掘範囲・未採掘範囲、炭層の走向・厚さ・層間隔など鉱量計算資料の測量、断層の方向・傾斜・落差・褶曲(しゅうきょく)の状況など坑内の地質構造を明らかにする測量、坑内運搬・通気・排水などのための測量がある。狭い坑内では普通のコンパスのかわりに各測点間にロープを張ってこれにハンギング・コンパスをかけ、傾斜角および方位角を測定する。坑内外連結測量は、立(たて)坑または斜坑などの坑口を経て、地表に対する坑内の位置を正確に決定する測量である。坑内外の測量結果を製図したものを鉱山図または保安図という。
[房村信雄]