スタジア測量(読み)スタジアソクリョウ(その他表記)stadia surveying

デジタル大辞泉 「スタジア測量」の意味・読み・例文・類語

スタジア‐そくりょう〔‐ソクリヤウ〕【スタジア測量】

stadia視距儀の接眼部にある2本の線が挟む標尺の目盛り数(長さ)と高度角を読み取り、標尺までの水平距離比高を計算する測量法。→視距儀

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改訂新版 世界大百科事典 「スタジア測量」の意味・わかりやすい解説

スタジア測量 (スタジアそくりょう)
stadia surveying

経緯儀トランシット)の望遠鏡の視野内に刻まれたスタジア線を用いて行う簡便な測量方法。一地点にすえた経緯儀と,目標地点に立てた標尺との間の距離と比高を間接的に求める。望遠鏡をのぞき,その視野内にある上下2本の平行線(スタジア線stadia hair)によって,目標地点に鉛直に立てた標尺のはさまれる長さ(目盛数)およびその時の高度角(鉛直角)を読み取り,この値を公式にあてはめれば,水平距離および比高を簡単に算出できる。また公式に基づく数表もできているので,さらに簡便に求めることができる。水準儀(レベル)でも,この方法で距離を求めることができる。水準測量では,水準儀の器械誤差を消去するため,水準儀と前後の標尺を等距離にする必要があるが,距離の調節にこの方法が応用されている。平板測量では,一定長の標尺を目標地点に立て,平板上に水平に置いたアリダート(測斜儀)によって,標尺のはさまれる分画数(角度)を読みとり,この分画数を数表で引いて距離を求めることができる。この測量方法は,巻尺やレベルを用いて直接に距離や比高を求めるより簡便であるが,高い精度は得られず,単独または平板測量との併用による細部測量や,高い精度を要求されないトラバース測量などに利用される。近年電波光波を利用して,簡単に高精度で距離が測定できる測距儀が著しく発達したため,トランシットを用いるこの測量方法の利用は少なくなりつつある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタジア測量」の意味・わかりやすい解説

スタジア測量
スタジアそくりょう
stadia survey; tachymetry

視距測量ともいう。地形測量に用いられる間接距離測量法の一つ。トランシットやレベル (水準儀) の望遠鏡で,前方に立てた標尺 stadiaを視準し,望遠鏡の視野内で,十字線の上下に等間隔に張った2本のスタジア線 stadia hairではさんだ標尺の長さと,そのときの鉛直角をはかり,一定の定数 (スタジア定数) を乗じて,斜距離や水平距離,比高を求める。定数が計算されているスタジア表があるので,測定結果を出すのは簡単であるが,鋼巻尺や電磁波測距儀による直接測距に比し精度は劣る。スタジア測量専用のトランシットをタキメータ tachymeterという。三脚の上に水平に乗せた一定長さの標尺 (サブテンスバー subtense barという) をトランシットで端から端まで分角をはかり,その測角から距離を出す方法もある。平板測量で行うスタジア測量の場合 (スタジア法) は,赤白のペンキを上下に塗った金属板 (覘板〈てんばん〉) を一定間隔に2枚取付けた棒を標尺とし,測定点に立てた標尺の覘板の間隔をアリダードの分画で読み,距離を求める。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタジア測量」の意味・わかりやすい解説

スタジア測量
すたじあそくりょう
stadia survey

トランシットの望遠鏡内に上下に一定の視角で引かれた2本の水平線をスタジア線といい、目標地点に立てた標尺の目盛りのうち、このスタジア線で挟まれる部分の長さから目標までの距離を計算により求める測量で、タキメトリーtachymetryともいう。目標地点が観測点と同一の高さでない場合にはその比高も求め、かつスタジアの読み取り値に傾斜による補正も加えねばならないが、これらの補正および計算がコンピュータなどで自動的に行われるトランシットをタキメーターという。

[尾崎幸男 2016年11月18日]

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百科事典マイペディア 「スタジア測量」の意味・わかりやすい解説

スタジア測量【スタジアそくりょう】

望遠鏡と標尺とを使って簡単に水平距離を求める間接測量法。望遠鏡視野内の水平な2本の糸の間で読まれる標尺の読みの差を一定倍し,それに定数を付加して水平距離を得る。

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