長谷川町子(読み)はせがわまちこ

精選版 日本国語大辞典 「長谷川町子」の意味・読み・例文・類語

はせがわ‐まちこ【長谷川町子】

漫画家佐賀の生まれ。田河水泡師事。家庭生活を素材にした「サザエさん」で人気を博し、家庭漫画の一典型を確立ほかに「意地悪ばあさん」など。国民栄誉賞受賞。大正九~平成四年(一九二〇‐九二

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デジタル大辞泉 「長谷川町子」の意味・読み・例文・類語

はせがわ‐まちこ〔はせがは‐〕【長谷川町子】

[1920~1992]漫画家。佐賀の生まれ。新聞連載された四コマ漫画「サザエさん」で人気を博し、家庭漫画の一典型を確立。ほかに「意地悪ばあさん」など。没後国民栄誉賞受賞。

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改訂新版 世界大百科事典 「長谷川町子」の意味・わかりやすい解説

長谷川町子 (はせがわまちこ)
生没年:1920-92(大正9-平成4)

漫画家。福岡県に生まれる。1934年田河水泡に師事し,翌年から《少女俱楽部》に漫画を寄稿,40年から3年半にわたって同誌に〈仲良し手帖〉を連載した。第2次大戦後の46年5月から《夕刊フクニチ》に代表作《サザエさん》を連載,49年12月から《朝日新聞》に移り,74年まで連載した。主婦役のサザエさんを中心とする一家6人の,ありふれたサラリーマン家庭の日常生活を,女性特有のこまやかな観察力でとらえたこの作品は,戦後の荒廃した世相にほのぼのとした笑いを提供し,主人公のサザエさんは国民的アイドルになるほどの人気を博した(1969年からはアニメーションがテレビ放映されている)。そのほか代表作として《いじわるばあさん》(《サンデー毎日》に1966年から連載),劇画風に描いた自伝《サザエさんうちあけ話》(《朝日新聞》日曜版に1978年から連載)がある。62年,文芸春秋漫画賞を受賞。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「長谷川町子」の意味・わかりやすい解説

長谷川町子
はせがわまちこ
(1920―1992)

漫画家。佐賀県生まれ。早く父を失い、母と3人姉妹の一家をあげて上京、16歳で田河水泡(すいほう)に入門。女学校卒業後『少女倶楽部(くらぶ)』でデビューしたが、太平洋戦争で郷里に疎開、西日本新聞に勤めているとき構想した長編漫画が、戦後『サザエさん』となった。『サザエさん』は最初、1946年(昭和21)から『夕刊フクニチ』に、のち『朝日新聞』に移って1949年12月から1974年2月まで連載、単行本は姉の経営する姉妹社から67巻のシリーズとして刊行されてロングセラーとなり、映画化、テレビ化も行われるなど大ヒットした。そのほかの代表作に『いじわるばあさん』など。1985年、東京都世田谷(せたがや)区に自筆の原画と収集品を公開する長谷川美術館(現長谷川町子美術館)を開設した。1992年、国民栄誉賞。

[小川乃倫子]

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百科事典マイペディア 「長谷川町子」の意味・わかりやすい解説

長谷川町子【はせがわまちこ】

漫画家。佐賀県生れ。山脇高等女学校卒。1934年田河水泡に師事。1946年―1974年に新聞連載した《サザエさん》などでほのぼのとした笑いを提供し,家庭漫画の代表として広く愛された。ほかに《エプロンおばさん》《いじわるばあさん》など。1992年国民栄誉賞(死後追贈)。
→関連項目中山恒明漫画

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長谷川町子」の意味・わかりやすい解説

長谷川町子
はせがわまちこ

[生]1920.1.30. 佐賀
[没]1992.5.27. 東京
漫画家。福岡から上京し漫画家を志して田河水泡の門に入る。 1946年から『夕刊フクニチ』に『サザエさん』を連載し,51年4月から『朝日新聞』に連載の場が移される。以後,彼女の全作品は姉が主宰する姉妹社から刊行された。日本版『ブロンディ』ともいわれる『サザエさん』には,女の目から見た生活の細部のおかしさが生かされているが,ほかに『似たもの一家』『仲よし手帳』『いじわるばあさん』などがある。 78年には自伝的な漫画『サザエさんうちあけばなし』を『朝日新聞』に連載した。 82年文化功労者となり,没後に国民栄誉賞受賞。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「長谷川町子」の解説

長谷川町子 はせがわ-まちこ

1920-1992 昭和時代の漫画家。
大正9年1月30日生まれ。昭和9年から田河水泡(たがわ-すいほう)に師事。戦前「少女倶楽部(クラブ)」に「仲良し手帖」を連載。21年から「夕刊フクニチ」「朝日新聞」に28年間にわたり連載された「サザエさん」は家庭漫画の代表とされている。37年文芸春秋漫画賞。平成4年5月27日死去。72歳。死後,国民栄誉賞がおくられた。佐賀県出身。山脇高女卒。ほかに「エプロンおばさん」「意地悪ばあさん」など。

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世界大百科事典(旧版)内の長谷川町子の言及

【漫画】より

… 1960年代の劇画に続いて70年代から80年代にかけて少女漫画が創作の中心となった。女性漫画家として長谷川町子が,戦後最も広く愛された長編連載《サザエさん》を描いた。1970年代以後,池田理代子《ベルサイユのばら》,萩尾望都(もと)《ポーの一族》,竹宮恵子《風と木の詩(うた)》,樹村(きむら)みのり《菜の花畑のむこうとこちら》,山田紫《しんきらり》,高野文子《絶対安全剃刀》,山岸凉子《日出処(ひいづるところ)の天子》があらわれて,男性漫画家をしのぐ活動によって男女の区分を超える広い読者に支持されている。…

※「長谷川町子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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