選挙において,開票管理者が開票立会人の立会のうえ,投票箱を開き,投票を調査し,開票立会人の意見を聴き,その投票を受理するかどうかを決める一連の手続(公職選挙法66条1項)。開票する場所は,市役所,町村役場または市町村の選挙管理委員会があらかじめ指定したところで(63条),開票管理者はあらかじめ開票の場所,日時を告示しなければならない(64条)。開票は原則として市町村を単位とし,各投票所の投票箱を集め投票を混同して行う(混同開票主義)。投票の点検も開票区ごとに投票を混同して行う(66条2項)。これは,開票区が狭い場合,投票内容がもれる弊害が生じ,秘密投票の自由が侵されることを防ぐためである(憲法15条3項)。開票の結果について,開票管理者は,直ちに選挙長(参議院比例代表制議員の選挙については選挙分会長)に報告しなければならない。
このように一連の開票事務を担当するのが開票管理者である(61条)。開票管理者は,当該選挙の選挙権をもつもののなかから,市町村選挙管理委員会が各選挙ごとに選任する(61条)。
開票には開票立会人が必要となる。開票立会人は,候補者の利益代表および選挙人の公益代表の資格において投票管理者の投票事務の執行に立ち会い,その公正を監視するもので,候補者が選挙人名簿に登録された者のなかから,本人の承諾を得て開票立会人となる者1人を選挙の3日前までに市町村管理委員会に届け出ることになっている(62条1項)。立会人が3人に達しないなど特別な場合は,市町村選挙管理委員会または開票管理者が選任しなければならない。開票立会人の総員数は10人を原則としている(62条2項)。
開票に関する記録は開票管理者が作成し,開票立会人とともにこれに署名する(70条)。この記録は,投票の記録と併せて当該当選人の任期中,選挙管理委員会において保存しなければならない(71条)。
執筆者:吉田 善明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…各選挙においては一人一票主義を原則とするが,衆・参議院議員選挙においては一人二票制がとられている。 投票終了後,開票区において投票箱を開披し,投票を開封点検する。開票手続は公正に行われなければならず,開票管理者は開票立会人の下に,かつ選挙人の監視の中でこれを執行しなければならない(開票)。…
※「開票」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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