阿久比(読み)あぐい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿久比」の意味・わかりやすい解説

阿久比(町)
あぐい

愛知県南西部、知多郡にある町。1953年(昭和28)町制施行。名古屋鉄道河和(こうわ)線、知多半島道路が通じ、名古屋、半田(はんだ)、東海3市のベッドタウン。中央部は阿久比川低地で米作地、両側の丘陵地は住宅団地とミカンキクなどの園芸農業地帯。乳牛の飼育も盛ん。工業は紡織が中心であるが、自動車関連企業や先端技術工業の進出もみられる。史跡社寺には、平安時代の菅原英比麿(すがわらのえびまろ)(道真(みちざね)の孫)や、戦国時代の於大の方(おだいのかた)(徳川家康の母)、坂部城主久松(ひさまつ)氏らにゆかりのものが多い。地名は阿古屋(あこや)、足咋(あくい)、英比(あくい)、阿久比と変遷している。面積23.80平方キロメートル、人口2万8383(2020)。

[伊藤郷平]

『『阿久比町誌』(1969・阿久比町)』『『阿久比町誌』全9巻(1986~1995・阿久比町)』『『あぐい50年物語』(2003・阿久比町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「阿久比」の意味・わかりやすい解説

阿久比[町] (あぐい)

愛知県南部,知多郡の町。人口2万5466(2010)。知多半島のほぼ中央に位置し,丘陵地帯の中央部を阿久比川が南流する。谷底平野水田で,丘陵斜面は1961年の愛知用水の完成により,ミカン畑に利用されている。ほかに菊などの施設園芸,畜産なども行われる。また伝統ある知多木綿も生産され,紡績・織布の繊維工業が盛んで,帽子やマネキン人形の特産もある。町の中央部を名鉄河和線が南北に通り,西部を知多半島道路が走る。名古屋市,半田市,東海市のベッドタウンとして丘陵地の住宅開発が進んだ。卯坂の洞雲院では毎年3月に徳川家康の生母お大の方の発願といわれるオセンボ会が行われる。
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百科事典マイペディア 「阿久比」の意味・わかりやすい解説

阿久比[町]【あぐい】

愛知県知多郡,知多半島中央部の町。伝統の知多木綿を特産,紡績・織物の繊維工業が盛んである。愛知用水が通じ,ミカンも産する。宅地化も進む。名鉄河和(こうわ)線が通じる。23.80km2。2万5466人(2010)。

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