阿吽寺(読み)あうんじ

日本歴史地名大系 「阿吽寺」の解説

阿吽寺
あうんじ

[現在地名]松前郡松前町字松城

近世の松前城下あら町に所在。文化(一八〇四―一八)頃の松前分間絵図によると福山城の北東にあたる。高野山真言宗、海渡山と号し、本尊不動明王。「新羅之記録」によれば、創建は嘉吉三年(一四四三)安東盛季の渡道に随従した永善坊道明が営んだ庵に始まるという。従来津軽にあって安東氏に仕えてきた真言宗阿吽寺(現青森県市浦村)の道明は渡道の際、如意輪観音を捧持して祈祷肝胆を砕いた。渡道には真言修験者の万願寺・山王坊・実相坊らも従っていたと伝える(福山秘府)。この真言修験の一群が盛季とともにまず拠った所は、当時の安東氏をめぐる下ノ国・松前・上ノ国の三ブロック体制から考えて、のち安東氏一族の下国家政の拠点となる茂辺地もへじ(現上磯町)であったと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「阿吽寺」の解説

阿吽寺

北海道松前郡松前町にある寺院。真言宗。山号は海渡山。本尊は不動明王。安東盛季の渡道(嘉吉年間とされる)に随従した僧、永善坊道明が営んだ庵が起源と伝わる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android