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阿波丸事件 あわまるじけん Awamaru Affair

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

阿波丸事件
あわまるじけん
Awamaru Affair

第2次世界大戦末期の 1945年,アメリカの安導券を持ってホンコン,オランダインドネシアシンガポールにいた連合国捕虜,抑留者に救恤品を輸送した日本郵船の『阿波丸』 (1万 1249t) が,2000余名の日本人乗客を乗せて帰航中,同年4月1日午後 11時すぎ,アメリカの潜水艦により台湾海峡で撃沈された事件。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

阿波丸事件

1945年4月1日、台湾海峡で米潜水艦の魚雷を受けて沈んだ。軍人、外交関係者、石油採掘や鉄鋼関係企業の技術者らが乗っていた。東南アジアにいる連合国の捕虜に救援物資を届けて帰国する途中で、敵国側からも安全が保証されていたはずの状況下だった。なぜ攻撃を受け沈没したのか、なぞを探る本が複数出版されている。戦後、日本政府は米国による対日支援と引き換えに損害賠償の請求権を放棄し、遺族に1人7万円の見舞金を払った。

(2011-08-24 朝日新聞 朝刊 神戸 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

あわまる‐じけん〔あはまる‐〕【阿波丸事件】

第二次大戦末期の昭和20年(1945)4月、連合国軍の安全の保障下に、日本占領地域の捕虜・抑留者への救済品輸送に当たっていた阿波丸が、帰路に台湾海峡で米国の潜水艦に撃沈された事件。

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百科事典マイペディアの解説

阿波丸事件【あわまるじけん】

第2次大戦末期,日本支配下にあった太平洋地域の連合国捕虜と抑留者に対する救済品の輸送にあたっていた日本郵船貨客船阿波丸は,日米間の取決めで往復中いかなる攻撃・干渉も受けない保障を得ていたが,日本へ帰航中の1945年4月1日米潜水艦によりバシー海峡で撃沈された。

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世界大百科事典 第2版の解説

あわまるじけん【阿波丸事件】

第2次世界大戦末期に日本の支配下にあった太平洋地域にいる連合国側の捕虜と抑留者に救恤(きゆうじゆつ)品を輸送するための船舶の提供をアメリカ政府が日本政府に申し入れ,この輸送にあたる船舶の往航と復航のいずれにおいても連合国軍の攻撃,臨検,干渉を行わないことを保障した。日本郵船の貨客船阿波丸は,この安導券をもって,1945年2月17日門司を出港し,日米間の取決めどおり,南方諸地域に救恤品を送り届け,帰路シンガポールから2000余名の乗客・乗組員を乗せて航行中,4月1日夜半,台湾海峡でアメリカの潜水艦によって撃沈され,乗組員1名を除く全員が死亡した。

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大辞林 第三版の解説

あわまるじけん【阿波丸事件】

第二次大戦中の1945年(昭和20)4月、連合国軍から安全を保障されて、連合国軍捕虜への救済品を輸送する任務を終え帰航中の日本船阿波丸が、台湾沖でアメリカ潜水艦により撃沈された事件。アメリカ政府はその違法性を認めたが、49年日本政府は損害賠償請求権を放棄した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

阿波丸事件
あわまるじけん

第二次世界大戦末期の1945年(昭和20)4月1日、連合国側に安全を保障されていた日本船阿波丸(1万1000トン)が、アメリカの潜水艦に無警告で撃沈された事件。南方諸地域の連合国側の捕虜、抑留者への救恤(きゅうじゅつ)品輸送を果たした阿波丸は、2000人を超える乗客および乗組員を乗せて帰途についたが、台湾海峡でアメリカ潜水艦クィーンフィッシュ号に攻撃され、乗組員1名が救助されただけで、そのほか全員が死亡した。
 この救恤品輸送は、アメリカ政府からの要請に基づくもので、連合国から「安導券」を与えられ、往復とも安全を保障されていただけに、アメリカ側もその責任を認めざるをえず、戦争終結後の賠償問題の検討を約束した。ところが、1949年4月、保守党議員の提案による賠償請求権放棄の国会決議がなされると、当時の吉田茂内閣は、占領下におけるアメリカからの直接間接の「援助」に感謝するとして、アメリカと協定を結び、いっさいの請求権を放棄してしまった。[山田敬男]

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世界大百科事典内の阿波丸事件の言及

【安導券】より

…通行の日時,経路,通行者の標識などが合意され,安導券に示された条件に従うかぎり安全通行が保障される。第2次大戦末期に撃沈された阿波丸の安導券では,寄港地・日時,大きさ・形状,白十字の標示個所,夜間の灯火による十字の標示方法,速度などが合意され,アメリカの極東所在艦艇に電信で指示されていた(阿波丸事件)。安導券は,敵国外交使節の本国帰還や敵国全権委員の交渉終了後の帰還などの場合に与えられ,主として政府が交付するが,軍指揮官も自己の指揮下の地域に通用する安導券を発行することがある。…

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