限界費用(読み)ゲンカイヒヨウ

百科事典マイペディアの解説

限界費用【げんかいひよう】

生産量を追加的に1単位増加したときの生産費用の増加分。短期的には固定費は変わらないから,限界費用は原材料費や賃金分の増加,つまり限界可変費用に一致する。これに対し,総費用を生産量で割った値を平均費用という。すでに生産している生産量が小さいときには限界費用は逓減するが,生産量がある程度増えると,限界費用も逓増するというU字のカーブを描く。限界費用と限界収入(販売量をもう1単位増加したときの総収入の追加分)が等しいとき利潤が最大化する。両者が等しくない場合は,生産量の増減によって,利潤の増加あるいは損失の減少をはかることができる。また限界費用と限界効用が等しくなるとき,社会全体の満足(厚生)が最大となる,とされる。
→関連項目限界分析

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世界大百科事典 第2版の解説

げんかいひよう【限界費用 marginal cost】

生産量を1単位増加させることに伴う,総費用の増加分をいう。これに対し,総費用を生産量で割ったものは平均費用とよばれる。短期においては固定費用は生産量の変化にかかわらず一定であるから,限界費用は,生産量を1単位増加させるのに必要な追加的な原材料費や賃金分すなわち限界可変費用と同じことになる。限界費用は通常,生産量の少ない領域では生産量を増加させるにともなって減少し,やがて生産量がある領域まで達すると増加する,というU字形のカーブを描く。

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大辞林 第三版の解説

げんかいひよう【限界費用】

財・サービスを生産するとき、ある生産量からさらに一単位多く生産するのに伴う追加的な費用。

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世界大百科事典内の限界費用の言及

【価格形成】より


[民間企業の価格形成]
 利潤を目的とした民間企業のおもな価格形成原理として,限界原理とフルコスト原理がある。限界原理marginal principleというのは,企業は生産の追加的増加による収入の増加分(限界収入)が費用の増加分(限界費用)と等しくなる数量で生産を行うことによって利潤の最大化を図れる,というものである。限界収入が限界費用を上まわっている状態にあれば,それより生産を拡大することにより企業の獲得する利潤は増大し,逆の場合には減少する。…

【費用】より

…つまり,総費用の変化はこの可変費用の変化によるものである。 ある産出量から1単位だけ産出量を増加させたときの総費用の増加分を限界費用という。図1において,限界費用は総費用曲線CC′の各点における接線のこう配で表される。…

※「限界費用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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