陰影・陰翳(読み)いんえい

精選版 日本国語大辞典 「陰影・陰翳」の意味・読み・例文・類語

いん‐えい【陰影・陰翳】

〘名〙 (「陰」「翳」は、光の当たらない部分、「影」は、光によってうつしだされた明暗の、暗の部分をいう)
① (━する) かげ。くもり。また、かげって暗くなること。かげを作って暗くすること。
三国伝記(1407‐46頃か)七「彼の龍黒雲闇霧を吐きて、三光を隠翳す」 〔陳子昂‐感遇詩〕
② 色、音、調子、ことば、感情などに感じられる、他とは微妙に異なる趣。ニュアンス
※海潮音(1905)〈上田敏訳〉ルレエヌ評「仏蘭西の詩は〈略〉ルレエヌに至りて音楽の声を伝へ、而して又更に陰影の匂なつかしきを捉へむとす」
③ (shade and shadow の訳語) 物に光が当たるとき、その物自体において生じる明暗の暗い部分(陰)と、光がその物にさえぎられてできる背後の暗い部分(影)。
※画の悲み(1902)〈国木田独歩〉「輪廓といひ、陰影(インエイ)と云ひ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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