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陳伯達 ちんはくたつChen Bo-da

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

陳伯達
ちんはくたつ
Chen Bo-da

[生]光緒30(1904).福建,恵安
[没]1989.9.20.
中国の政治家,理論家。上海労働大学卒業後,モスクワに留学し,モスクワの中国共産党支部に入党。 1931年帰国。大学で教えながら文化活動を続け,36年艾思奇,何幹之らとともに新啓蒙運動を開始し,抗日民族統一戦線の結成を呼びかけた。 37年抗日戦争が始ると延安に入り,思想,宣伝活動に従事し,新民主主義革命論の啓蒙に努めた。戦後は『中国四大家族』 (1946) ,『人民公敵蒋介石』 (48) などを書き,蒋介石政権を全面的に批判した。 49年中華人民共和国成立後は,中国科学院副院長,政務院文化教育委員会副主任,党中央宣伝部副部長などをつとめ,学術,文化,教育面で指導的役割を果し,56年党中央農村工作部長となり,同年の八全大会で中央政治局委員候補に選ばれた。 58年『紅旗』編集長として大躍進を支持し,文化大革命の際には 66年中央文革小組組長として文革を指導し,中央政治局常務委員に選ばれ,69年の九全大会で再選された。 70年の9期二中全会では林彪グループに協力して「天才論」および国家主席の設置を主張したため,毛沢東に偽マルクス主義者と批判され審査を受けた。 73年8月の十全大会で,「林彪反党集団の主要メンバー,国民党反共分子,トロツキスト,変節者,敵の手先,修正主義者」として党から永久に追放され,党内外のすべての職務から解任された。「林彪・江青反革命集団」裁判で,81年1月懲役 18年の判決を受けた。

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百科事典マイペディアの解説

陳伯達【ちんはくたつ】

中国の政治家思想家。抗日戦直前華北で新啓蒙運動提唱,また蒋介石の《中国の命運》批判や《四大家族》を書き,文化思想運動の指導的地位にいた。毛沢東の秘書も務め,解放後は中央政治局常務委員会委員,《紅旗》総編集,中国科学院副院長,中央文化革命小組長等の要職についたが,1970年失脚。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

陳伯達
ちんはくたつ / チェンポーター
(1904―1989)

中国共産党の理論家。もともと哲学を専攻していたが、歴史学、経済学など広範な分野で活動した。福建省出身。1927年に共産党に入党し、上海(シャンハイ)労働大学で学ぶ。日本の侵攻を前に抗日民族統一戦線結成を呼びかける論陣を張り、1936年『読書生活』誌に「新哲学の自己批判」を書いて理論の再生を図る新啓蒙(けいもう)運動を主唱した。抗日戦争勃発(ぼっぱつ)直後、重慶(じゅうけい)で『在文化陣綫上(文化戦線にて)』を刊行、そのあと延安に移り、抗日軍政大学、魯迅(ろじん)芸術学院などで教える一方、毛沢東(もうたくとう)の身辺にあって、新民主主義理論の形成に寄与した。延安で執筆した『中国地租概説』(1944)、『中国四大家族』(1946)は、中国共産党の土地改革、官僚資本没収の政策の理論的根拠となった。戦後も『窃国大盗袁世凱(えんせいがい)』『人民公敵蒋介石(しょうかいせき)』(ともに1946)を出版、中華人民共和国成立後は、中国科学院副院長、党宣伝部副部長などに任じ、1958年、党理論誌『紅旗』創刊とともに編集長となった。1966年、文化大革命が始まると、それまで政治の表面に出ず簡素な生活ぶりをうたわれていたのが、党中央文革小組組長として、第一副組長の江青とともに運動の先頭にたち、1969年の第9回党大会では中央政治局常務委員会委員として政治の中枢にたつに至った。だが、1973年の第10回党大会では、林彪(りんぴょう)集団に組したとして党籍を剥奪(はくだつ)され、さらに「四人組」逮捕後は裁判にかけられた。1989年9月20日に死去した。[安藤彦太郎]
『大金久展訳『中国四大家族』(1955・青木書店)』

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世界大百科事典内の陳伯達の言及

【新啓蒙運動】より

…日中戦争直前の1936年,中国の知識人のあいだにおこった思想運動。陳伯達によって,この運動は近代中国の啓蒙運動の流れの上に意義づけられ,五・四運動前後の文化運動に対して,新啓蒙運動と呼ばれた。論点は数多いが,日中戦争をひかえて,都市知識人が抗日・救国の民族統一戦線に集約される動きであったといえよう。…

※「陳伯達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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