ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陳洪綬」の意味・わかりやすい解説
陳洪綬
ちんこうじゅ
Chen Hong-shou
[没]順治9(1652)
中国,明末の文人画家。諸曁 (しょき) 県楓橋鎮 (浙江省) の人。字は章侯,号は老蓮,明朝滅亡後は悔遅,勿遅 (もっち) と号した。官吏を出した家系に生れ,自身も科挙に応試したが失敗。崇禎 15 (1642) 年頃,絵をもって供奉を命じられたが辞して帰郷し,放縦な生活をおくった。少年時代より藍瑛に絵の指導を受け,当時すでに孫杖に激賞された。さらに唐,北宋の人物画を学び,デフォルメされた形態と線描による奇矯な様式を完成。代表作『宣文君授経図』 (クリーブランド美術館) など。また『西廂記』などの挿絵も描く。詩人としても著名で著書に『宝綸堂集』がある。
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