陳洪綬(読み)ちんこうじゅ(その他表記)Chen Hong-shou

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陳洪綬」の意味・わかりやすい解説

陳洪綬
ちんこうじゅ
Chen Hong-shou

[生]万暦27(1599)
[没]順治9(1652)
中国,明末の文人画家。諸曁 (しょき) 県楓橋鎮 (浙江省) の人。字は章侯,号は老蓮,明朝滅亡後は悔遅,勿遅 (もっち) と号した。官吏を出した家系に生れ,自身も科挙に応試したが失敗。崇禎 15 (1642) 年頃,絵をもって供奉を命じられたが辞して帰郷し,放縦な生活をおくった。少年時代より藍瑛に絵の指導を受け,当時すでに孫杖に激賞された。さらに唐,北宋人物画を学び,デフォルメされた形態と線描による奇矯様式を完成。代表作『宣文君授経図』 (クリーブランド美術館) など。また『西廂記』などの挿絵も描く。詩人としても著名で著書に『宝綸堂集』がある。

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百科事典マイペディア 「陳洪綬」の意味・わかりやすい解説

陳洪綬【ちんこうじゅ】

中国,明代の画家。浙江省諸曁の人。字は章侯,号は老蓮。当時人物画において,同時代の画家崔子忠(?―1644年)と並んで〈南陳北崔〉と称され,肥痩(ひそう)のない描線を用い,古典の復興を企てた。明末の文人画家の範疇(はんちゅう)に入れられているが,実際職業画家的な制作を行っていたらしい。

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