大化(読み)タイカ

デジタル大辞泉 「大化」の意味・読み・例文・類語

たいか〔タイクワ〕【大化】

飛鳥あすか時代、孝徳天皇の時の年号。日本最初の公式の年号。645年6月19日~650年2月15日。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「大化」の意味・読み・例文・類語

たい‐か‥クヮ【大化】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 限りない徳をもって他を導くこと。広大無辺の徳化
    1. [初出の実例]「仍奏曰、臣幸浴大化、奇守一国、〈奇当宰〉因公事而巡民間、就余隙而礼精舎」(出典:家伝(760頃)下)
    2. [その他の文献]〔漢書‐董仲舒〕
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 飛鳥時代孝徳天皇の代の年号。日本最初の公式の年号。六四五年六月一九日に建元、大化六年(六五〇)二月一五日に白雉(はくち)元年となる。「釈日本紀」に蘇我入鹿(そがのいるか)誅伐ののち「天下安寧。政化敷行。故号元於大化」とある。日本で公式に採用された年号のはじまり。
    2. [ 二 ] 天武天皇の代、また持統天皇の代に用いられた私年号

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本の元号がわかる事典 「大化」の解説

たいか【大化】

日本の元号(年号)。飛鳥時代の645年から650年まで、孝徳(こうとく)天皇の代の元号。次元号は白雉(はくち)。日本最初の元号とされ、孝徳天皇の即位にともなって、645年(皇極天皇4)6月19日から用いられた。『尚書(しょうしょ)』、『漢書(かんじょ)』、『宋書(そうしょ)』などを出典とする命名。645年(大化1)6月12日、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)や中臣鎌足(なかとみのかまたり)らによって、宮中で蘇我入鹿(そがのいるか)が暗殺され、政治体制を刷新するクーデター乙巳(いっし)の変(大化の改新の始まり)が起こった。同月14日に皇極(こうぎょく)天皇(後の斉明(さいめい)天皇、重祚(ちょうそ)による)の退位譲位)にともない、弟の孝徳天皇が即位した。なお、大化は、それに続く白雉、朱鳥(しゅちょう)とともに、その使用について疑問視する学説もある。

出典 講談社日本の元号がわかる事典について 情報

普及版 字通 「大化」の読み・字形・画数・意味

【大化】たいか(くわ)

大いなる徳化。〔漢書、匡衡伝〕京師に弘(おほ)いにして、淑問令名疆外に揚ぐ。然る後、大るべく、禮讓興るべきなり。

字通「大」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「大化」の解説

大化
たいか

飛鳥時代,日本最初の公式年号(645〜649)。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大化の言及

【元号】より

…中国を中心とする東洋の漢字文化圏に広まった紀年法で,前漢の武帝のときに始まる。
[元号使用の始まり]
 日本では645年(皇極4)蘇我氏の討滅を機に孝徳天皇が即位してまもなく,この年を大化元年と定めたのが最初である。大化以前において法隆寺金堂の釈迦三尊像の光背の銘や《伊予国風土記》逸文の道後温泉の碑文などによって法興という年号のあったことが知られるが,これは公式に定められたという徴証がなく,逸年号もしくは広い意味で私年号というべきであろう。…

※「大化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android