随神(読み)カンナガラ

デジタル大辞泉 「随神」の意味・読み・例文・類語

かん‐ながら【随神/惟神】

[副]《古くは「かむながら」と表記。「な」は格助詞」に同じ、「から」は素性・性質の意》
神であるままに。神として。
久方天つ宮に―神といませば」〈・二〇四〉
神代のままに。神のおぼしめしのままに。
葦原瑞穂みづほの国は―言挙ことあげせぬ国」〈・三二五三〉

かみ‐ながら【随神/惟神】

[副]かんながら」に同じ。

かむ‐ながら【随神/惟神】

[副]かんながら

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精選版 日本国語大辞典 「随神」の意味・読み・例文・類語

かん‐ながら【随神・惟神】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 古くは「かむながら」と表記。「な」は「の」、「から」はその物に備わっている本性の意。元来は名詞連語であるが、一部に名詞としての性質を残しながら、副詞としての意味、機能で用いられるようになった )
    1. ある行動などが、神としてのものであるさまを表わす語。神の本性のままに。神でおありになるままに。かみながら。
      1. [初出の実例]「山川も依りて仕ふる神長柄(かむながら)たぎつ河内に船出するかも」(出典:万葉集(8C後)一・三九)
    2. ある状態などが、神の意志のままに存在するさまを表わす語。神の御心のままに。神慮のままで。かみながら。
      1. [初出の実例]「葦原(あしはら)瑞穂(みづほ)の国は 神在随(かむながら) 言挙げせぬ国」(出典:万葉集(8C後)一三・三二五三)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 神道(しんとう)。また、神道の信者
    1. [初出の実例]「あの方、戦争のあひだは、ひや水をあびてカンナガラのはうだったわね」(出典:処女懐胎(1947)〈石川淳〉三)

かみ‐ながら【随神・惟神】

  1. 〘 副詞 〙かんながら(随神)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「惟神(カミナカラモ)惟神は神の道に随に、亦自づからに神の道有るを謂ふ〉我(あ)が子(みこ)(し)らさむと故寄(よ)させき」(出典:日本書紀(720)大化三年四月(北野本訓))

ずい‐じん【随神】

  1. 〘 名詞 〙 主神に随行し、警護する神。〔書言字考節用集(1717)〕
    1. [初出の実例]「随神(ズヰジン)の像を先年修繕せんとした際に」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉六月暦)

かむ‐ながら【随神】

  1. 〘 副詞 〙かんながら(随神)

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