ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雨水利用」の意味・わかりやすい解説
雨水利用
あまみずりよう
rainwater harvesting system
最も単純な雨水利用は,雨樋とタンクをパイプでつないだ天水桶などの非加圧方式で,「乾式」と呼ばれる。雨がやめばパイプ内に水が残らないのでカ(蚊)などの昆虫の温床にはならない。一方,パイプを直接タンクにつなげられない場合には「湿式」と呼ばれる方式が必要となる。タンクが集水面から離れたところにある場合や,複数のタンクがいくつかの建物に給水している場合には,雨樋と接続されたパイプが地中に埋設され,立ち管で地上のタンクにつなげられる。この方式では,長く敷かれたパイプに水が滞留しないよう加圧されることが多い。日本でも各地で雨水利用が進んでおり,2014年には,水資源の有効利用と,雨水が下水道や河川へ集中的に流れるのを抑制することを目的に「雨水の利用の推進に関する法律」が施行された。
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