古くは電動機と発電機とを同軸で直結した組合せをさし、電動で動く発電機、M-Gセットなどとよばれた。電動機と発電機とを直結した電動発電機は、電力の形態の変換を目的とする回転機であり、パワーエレクトロニクスの普及以前に使われた。
誘導電動機と直流発電機を組み合わせれば可変電圧の直流電源を得ることができる。また、直流電動機と三相同期発電機を組み合わせれば可変周波数、可変電圧の交流電源を得ることができる。同期電動機と同期発電機を組み合わせて電動機の極数と発電機の極数が異なれば周波数変換が可能になる。
現在ではこのような電力の形態の変換はパワーエレクトロニクスにより回転機を使わずに実現できる。そのため電力変換のために電動発電機(M-Gセット)を使うことはほとんどなくなった。
現在では、電動機にも発電機にも使用する両用回転機を、電動発電機とよぶことがある。揚水発電に用いられる発電機は揚水時にはポンプを駆動する電動機として使われる。自動車用のスタータージェネレーター(SG:starter generator)はエンジンの始動のためのスターターモーターを、走行中は発電機として用いる。電気自動車やハイブリッド自動車の駆動モーターは発電機として動作させることにより制動トルク(回転力)を発生させ、回生ブレーキとして働いている。
[森本雅之]
電動機と発電機を機械的に連結したもの。電動機がある形の電力を受けて発電機からそれと異なる形の電力を取り出す装置である。電動機の種類と発電機の種類によって,直流の変圧,交流から直流への変換,直流から高周波交流への変換などが行われる。交流の周波数,または相数を変換する場合は,構成上は電動発電機であっても周波数変換機,または相数変換機と呼ぶのがふつうである。近年,保守性および省エネルギーの観点から,電力変換はサイリスター,またはトランジスターを用いた静止器によって行うようになった。電動発電機には電圧・電流の波形の脈動や高調波が少ないことおよび電力の逆流が容易であるという利点があるが,新設されることはまれである。
執筆者:猪狩 武尚
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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