みゃく‐どう【脈動】
〘名〙
※形影夜話(1810)上「痩人は三部の下臂内にても、其脈動皮裏に見ゆるものあり」
②
脈搏のように、
周期的・継続的な力強い動きをすること。また、その動き。
※現代文明を評し、当来の新文明を卜す(1915)〈中沢臨川〉八「我等は我等の共通の母なる大地の胸に憩ひ、そこから我等に脈動するところの最も深く、最も聖き愛の囁きを聞かねばならぬ」
※国民新聞‐明治三六年(1903)一一月一二日「地面は人体に感ぜざる程の極く小さくして性質の急激なる
微動と、稍緩慢なる振動を呈するあり〈略〉之を脈動と称す」
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脈動
みゃくどう
地表の周期的な微振動。高感度の地震計で観測すると、地面はいつも揺れている。これは雑微動といわれる現象である。このなかには、交通機関や工場などの人工的な振動もあり、雨や風などの自然の現象もある。なかでも、長時間にわたって、周期2秒から8秒くらいで特別に波形がそろった振動が観測されることが多く、これは脈動といわれている。脈動は海の波の影響で海底でつくられて陸上まで伝わってくる振動で、感度が高い地震計で観測すると、内陸100キロメートル以上にまで伝わって観測される。つまり日本の陸上のどの地震観測点でも観測される。海が荒れたときには振幅は大きくなる。
[島村英紀]
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脈動【みゃくどう】
物体が不規則な力の作用を受けて起こす微弱な振動。主として地殻における地震とは別の微弱な振動をさし,そのうちでも交通など人為的原因によるものを除いていう。周期は2〜8秒のものが圧倒的に多く,振幅は数μm程度で,地震計で観測される。原因についてはまだ定説はないが,波浪が定常波を起こすため海底で発生するものが多いらしく,沖合を通過する低気圧や前線などとも関係が深いとされている。
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みゃく‐どう【脈動】
[名](スル)
1 脈が打つこと。
2 表面には現れないが、脈が打つように絶えず力強く動いていること。また、その動き。「脈動する新時代のメディア産業」
3 地震以外の原因による、地殻の微弱な周期的震動。周期2~8秒のものが多く、海の波浪や低気圧・寒冷前線の通過などに伴って観測される。
[類語](1)鼓動・拍動・動悸・心悸・心拍
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みゃくどう【脈動】
古くは脈拍の動き(拍動)のみをいったが,その後,脈拍のように周期的な動きに対して広く使われるようになった。科学・工学分野では以下のような意味をもつ。(1)天文学では,星の収縮・膨張を脈動pulsationといい,脈動に伴い明るさの変わる星を脈動変光星(脈動星)と呼ぶ。(2)電気工学では,直流に交流成分が重なっているとき脈動しているといい,このような電流を脈流ripple currentと呼ぶ。(3)地震学でいう脈動microseismsとは,地面の常時微動のうち,周期がほぼ一定の比較的単純な波形の振動が,振幅の消長を繰り返しながら長時間続くものをいう。
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