霊魂の存在を信じること。また霊魂に関する観念と行為の総称。一般に霊魂信仰は宗教体系全体のなかで中心的な位置を占めている。人類学者タイラーは万物に霊魂が宿るとする信仰をアニミズムと命名し、宗教の原初形態であると唱えた。今日、そのような進化主義的な解釈については疑問視されているが、ほとんどの社会で物質的存在とは別の霊魂の存在が信じられていることは確かである。霊魂は大きく人間の霊魂と他の霊魂に分けられる。前者には生者の霊魂(生霊)と死者の霊魂(死霊)があり、後者には動物霊、植物霊があるほか、山や川や岩などの非生物体にもしばしば霊魂の存在を認める。さらに日本の言霊(ことだま)のように非物質的なものにも霊魂ないし超自然的な力の存在を信じる場合もある。一般に霊魂はその宿主とは独立の存在で、ときに宿主から遊離すると考えられ、夢はそのような遊離霊の経験であるとされることが多い。北アジアのシャーマニズムでは、シャーマンの魂は儀礼中にその肉体を離れて天上界や地下界を飛翔(ひしょう)するといわれる。ただし普通の人間が魂を失うと病気になったり死ぬと信じられていることが多く、シャーマンが行う病気治療法の一つは、そのような紛失した霊魂を捜し出し患者の体に戻してやることである。メキシコの南部では、子供が転ぶと魂が落ちてしまうと考え、子供が転ぶと親はすぐ子供の耳たぶをつまみ、魂が落ちるのを防ぐ。また中米のインディオには、人間と特定の動物が魂を共有しているとする信仰がしばしばみられ、その相手の動物が死ぬと人間のほうも死ぬとされる。人間の霊魂が他の人間に害を及ぼすとする生霊信仰もときにみられる。日本では平安時代の文献に記されているほか、つい最近、あるいは今日まで、飛騨(ひだ)地方のごんぼだね(牛蒡種)、沖縄のイチジャマ信仰など、特定地域に生霊信仰が根強く残り、しばしばそのような霊力は血筋ないし家筋をたどって伝わるとされる。
[板橋作美]
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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