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青年文法学派 せいねんぶんぽうがくはJunggrammatiker; Neogrammarians

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

青年文法学派
せいねんぶんぽうがくは
Junggrammatiker; Neogrammarians

1870年代から A.レスキーン,K.ブルークマン,B.デルブリュック,H.パウルらを指導者として,ドイツのライプチヒを中心に大きな勢力をもった言語学の一学派で,少壮 (若手) 文法学派ともいわれる。その根本主張は「音声法則は例外を許容しない」ということに要約されるが,その意味は,音韻的環境が同じである音の時代的変化には一定の規則性が認められ,例外とみられるものには必ずその説明がつくはずであるということである。また彼らは例外を生じる原因の一つが類推であることも証明した。個々の事実にとらわれて言語全体の体系性を見失っているという,後代の彼らに対する批判は見当違いとはいえないとしても,インド=ヨーロッパ語族の比較文法の方法論を確立し,また実際の研究においても多くの事実を解明した功績は非常に大きい。

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デジタル大辞泉の解説

せいねん‐ぶんぽうがくは〔‐ブンパフガクハ〕【青年文法学派】

《〈ドイツ〉Junggrammatiker》1870年代後半からドイツのライプチヒ大学を中心にして、印欧比較言語学の分野で活躍した新進の研究者グループ。「音韻法則に例外なし」とし、音韻変化は規則的に行われ、例外とみられる現象も類推によって説明できると主張した。ブルークマン・デルブリュック・レスキーン・オストホーフ・パウルらが代表者。

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大辞林 第三版の解説

せいねんぶんぽうがくは【青年文法学派】

一九世紀後半ドイツを中心に、印欧語比較言語学の分野で新しい方法論的展開をみせた一群の若手の学者たちをまとめて呼んだ俗称。「音韻法則に例外なし」という主張で知られる。

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世界大百科事典内の青年文法学派の言及

【デルブリュック】より

…イェーナ大学教授。K.ブルクマンとともにライプチヒ大学を中心とする青年文法学派の一員として活躍した。その研究はサンスクリットを主とした統語論の領域に終始し,1886年より刊行されたブルクマンとの共著《印欧語比較文法Grundriss der vergleichenden Grammatik der indogermanischen Sprachen》(5巻)の後半部のほか,《古代インド語統語論》《統語論研究》《古代インド語の動詞》などを著した。…

【トムセン】より

…コペンハーゲン大学教授。青年文法学派に属し,インド・ヨーロッパ(印欧)語はじめ多くの言語についての200以上の労作がある。印欧語については,ロマンス語の音韻史,ゲルマン語とバルト語との関係,ゲルマン語およびバルト語とフィン語との関係についての論文がある。…

【パウル】より

…ベルリン大学,ライプチヒ大学に学び,のちフライブルク大学,ミュンヘン大学教授としてゲルマン語を講じたが,その文献学的な歴史研究は現在のゲルマン語学の基礎を築くものであった。著作としては《ドイツ語辞典》や《ドイツ語文法》(5巻)などのほか,《言語史原理Prinzipien der Sprachgeschichte》(1880)があり,これはK.ブルクマンを中心とする青年文法学派の言語理論を代表する著作であると同時に,今日でも言語の歴史的研究を志す者には必読の書とされている。【風間 喜代三】。…

【比較言語学】より

…その結果,19世紀末には方法論が確立され,これが同時に今日の言語学の基礎となった。その中心はライプチヒ大学のK.ブルクマンを先頭にする青年文法学派Junggrammatikerにあり,彼らによって真に文献学的・言語学的な研究が各語派にわたって始められた。 二つ以上の言語が互いに親縁関係にある,すなわち,一つの源となる言語から分化したと想定されるためには,その間に一定の音対応が求められなければならない。…

【ブルクマン】より

…ライプチヒ大学に学び,後にこの大学で教えた。ギリシア語を中心とするインド・ヨーロッパ(印欧)語の比較研究に従事し,師クルティウスGeorg Curtius(1820‐85)に反対して画期的な論文を発表,若手研究者による青年文法学派Junggrammatikerを組織して,そのリーダーとなり,本格的な言語の歴史的研究の基礎を築いた(比較言語学)。B.デルブリュックとの共著《印欧語比較文法Grundriss der vergleichenden Grammatik der indogermanischen Sprachen》は,この領域での研究に今日もなお不可欠の大著である。…

※「青年文法学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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