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非和声音 ひわせいおんnonharmonic notes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

非和声音
ひわせいおん
nonharmonic notes

音楽用語。和音に属さない音の総称。和声音に対し不協和音を形成する。主として次のような種類がある。 (1) 経過音 音階的進行により和音と和音をなめらかに結びつける。 (2) 掛留 和音本来の音のうちいくつかは予備されて,遅れて次の拍上に現れ,不協和音を解決する。 (3) 補助音 主音から上,下行で他の音に移り,また主音に戻る。 (4) 先取音 次に現れる和音に属する音が拍の前に打たれる。 (5) 変過音 掛留の場合の予備が除かれたもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひわせいおん【非和声音 nonharmonic tone】

音楽用語。和声学において和音を形づくる音のうち,本来の和音構成音(和声音ともいう)でないものをいう。和声外音ともいう。一般に多声音楽はいくつかの基本的な和音の連鎖に還元することができる。その際切り捨てられたすべての音が非声音声であるということもできる。逆にいえば,実際の音楽では,二つの連続する和音は非声音声によって結びつけられ,装飾されているのである。非和声音はそれが属する和音に対して不協和をなす。

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大辞林 第三版の解説

ひわせいおん【非和声音】

和音構成音(和声音)に属さず、旋律的な装飾と解釈される音の総称。和声外音。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

非和声音
ひわせいおん
nonharmonic tone (note)英語
harmoniefremder Tonドイツ語
note trangreフランス語

旋律を構成する音のうちで和声に即応しない音を総称していう西洋近代和声学の用語。これらは和声音(和声をつくりだす和音の構成音)でないために和声外音といわれることもあるが、旋律や和声を興味深いものにするためには不可欠の音であり、次にくる和音でかならず解決される。
 非和声音は、その前後にある二つの和音との関係によって、通常次の6種類に分類される。ただし、その用語法は学者によって異なり、かならずしも統一されているとは限らない。(1)先取音anticipation 二つの和音のうち前の和音には不協和音程であるが、後ろの和音の構成音であるような非和声音。(2)転過音changing tone 倚音(いおん)、自由掛留(けいりゅう)、予備なし掛留、アポジャトゥーラともいう。かならず強拍または強拍とみなされる拍に置かれ、二度進行によって次の和声音に解決する非和声音。(3)逸音chappe(フランス語) 先行する和音から二度上行し、次に三度下の和声音へ跳躍進行して解決するような非和声音。(4)補助音neighboring tone 刺繍(ししゅう)音ともいう。二つの同じ和音の間にあって、その和声音のいずれかの、音階上における上下二度の音。上二度の音を上方補助音、下二度の音を下方補助音と区別してよぶ場合もある。(5)掛留suspension 和音は次に移っているのに、先行和音の一音または数音が延ばされて一時的に不協和音が生じたあとに解決するような和声進行において、その長く引き延ばされた音のことを掛留という。(6)経過音passing tone 二つの和声音の間に全音階的あるいは半音階的な橋を架け、その進行を旋律的に装飾する非和声音。[黒坂俊昭]

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世界大百科事典内の非和声音の言及

【和声】より

…図5はT→D→T,T→S→D→Tの2種のカデンツが組み合わされた例であるが,一つの楽曲はこのカデンツが多様に組み合わされて構成されるのである。実際の楽曲においては,旋律運動をより自由にするため,本来の和音以外の音が用いられ,それを非和声音という。図6の×印は非和声音である。…

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