経済的、社会的国際協力の任務を遂行する国際連合の主要機関の一つ。略称、ECOSOC(エコソック)。同理事会は総会の下で非政治的な分野の諸問題、具体的には、
(1)経済、社会、文化、教育、保健、人権等の事項において調査、研究、報告、勧告を行うこと
(2)国際復興開発銀行(IBRD=世界銀行)その他の専門機関の政策および活動を調整すること
(3)その権限に属する事項について条約案を作成し、国際会議を招集すること
などをその任務および権限としており、国連による国際協力の中枢機関としての特徴を有している。同理事会は、総会によって選出された54か国で構成されており、毎年その3分の1の18か国が改選され、任期は3年である。理事国選出の地域的配分はアジア11、アフリカ14、中南米10、西欧その他13、東欧6となっている。
国連は発足当初から国際協力の分野に大きな比重を与えてきたが、その後も国際社会の緊密化と科学技術の進歩に伴って、国際協力を必要とする分野は拡張を続けている。理事会の下部機関としてはアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP(エスカップ))、アフリカ経済委員会(ECA)、西アジア経済社会委員会(ESCWA)、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC(エクラック))、ヨーロッパ経済委員会(ECE)の五つの地域委員会、人口開発委員会、社会開発委員会、統計委員会など八つの機能委員会、計画調整委員会、非政府組織委員会、政府間機関交渉委員会の三つの常設委員会、および常設専門家組織などがある。そのほか、総会によって設立された国連貿易開発会議(UNCTAD(アンクタッド))、国連開発計画(UNDP)などの補助機関と有機的結合関係を有するほかに、専門機関と連携協定を結び、また多くの非政府組織(NGO)との関係を維持している。
[横川 新]
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国際連合の主要機関の一つで,経済,社会,文化,教育,保健,人権などの事項について国連総会,国連加盟国,国連の専門機関に勧告を行い,それを通じて,各種専門機関の政策や活動を調整することを任務としている。略称ECOSOC。理事会は総会が選出する54ヵ国で構成する。これは発足当初18ヵ国であった理事会の議席が,1965年および73年の2回の憲章改正の結果増大したもの。理事国は常任,非常任の区別なく,3年の任期で毎年18ヵ国ずつ総会から選出される。理事国は地域別に割り当てられており,アフリカ14,西ヨーロッパなど13,アジア11,ラテン・アメリカ10,東ヨーロッパ6。理事会の下に,多くの機能別,地域別の下部機関が設けられている。専門機関との連携を通じて,開発途上国への技術援助などの幅広い活動を行うが,この分野では,国連貿易開発会議(UNCTAD(アンクタツド))のような重要な機関が国連総会直属の機関として設けられるに及んで,経済社会理事会の地位も相対的に低下している。
執筆者:香西 茂
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(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)
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