六訂版 家庭医学大全科 「鞭虫症」の解説
鞭虫症
べんちゅうしょう
Trichuriasis
(感染症)
どんな感染症か
鞭虫は長さが4㎝ほどで、主に
成熟した虫卵を飲み込むと感染しますが、便のなかに排出された虫卵が感染可能になるまでに外界で2~4週を要するため、普通はヒトからヒトへの直接の伝染はありません。寿命は1~3年といわれています。
症状の現れ方
卵を飲み込んでから約3カ月で成熟します。20匹以下の少数寄生では自覚症状はありませんが、200匹を超えるような場合は下痢・腹痛、粘血便などが現れ、とくに夜中に便意を催すことが特徴的です。
重い鞭虫症では、直腸が肛門から脱出してしまう、いわゆる
検査と診断
便のなかに虫卵を見つけることが確定診断になります。大腸内視鏡検査で偶然見つけた時などでは、虫の形態から診断します。
治療の方法
病気に気づいたらどうする
軽い感染なら症状はありませんが、前述した症状があったら放置せず、内科を受診してください。
丸山 治彦
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報