女性の化粧法の一種。女性が頬に紅をつけて美しさを引き立たせることは、おしろいをつけることよりも、その歴史が古い。わが国では『古事記』の神話伝説のなかにみえている。当時は人間が強い者に隷属をするときには、頬紅をつけてその印としたもので、人物埴輪(はにわ)のなかにも、その姿をみることができる。
奈良時代では頬紅をつける化粧法を紅粧(こうしょう)といった。正倉院宝物の『鳥毛立女樹下美人図』は、この姿を描いたもので、その方法は中国から伝来したものであろう。頬紅はなるべく目だたぬように、薄くつけることが美しいものであるとされて、江戸時代に及んだ。このことは現代の美容法でも同じで、おしろいや口紅との調和を図りながら薄くつけるのが普通で、際だって濃くつけることは、いやらしいものとされている。
[遠藤 武]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...