頬紅(読み)ほおべに

日本大百科全書(ニッポニカ)「頬紅」の解説

頬紅
ほおべに

女性の化粧法の一種。女性がをつけて美しさを引き立たせることは、おしろいをつけることよりも、その歴史が古い。わが国では『古事記』の神話伝説のなかにみえている。当時は人間が強い者に隷属をするときには、頬紅をつけてその印としたもので、人物埴輪(はにわ)のなかにも、その姿をみることができる。

 奈良時代では頬紅をつける化粧法を紅粧(こうしょう)といった。正倉院宝物の『鳥毛立女樹下美人図』は、この姿を描いたもので、その方法は中国から伝来したものであろう。頬紅はなるべく目だたぬように、薄くつけることが美しいものであるとされて、江戸時代に及んだ。このことは現代の美容法でも同じで、おしろいや口紅との調和を図りながら薄くつけるのが普通で、際だって濃くつけることは、いやらしいものとされている。

[遠藤 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア「頬紅」の解説

頬紅【ほおべに】

頬の赤みを補う化粧料。江戸時代までは白粉(おしろい)にを混ぜて用いたが,現在は粉白粉に染料レーキを混ぜ,湿潤剤としてグリセリンなどを混合する。結合剤にデンプンなどを用い薄く押し固めたコンパクト形,流動パラフィンワセリンなど油性を入れたペースト状などがある。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

精選版 日本国語大辞典「頬紅」の解説

ほお‐べに ほほ‥【頬紅】

〘名〙 頬につける紅。固形のもの、煉(ねり)状のものなどがある。
日葡辞書(1603‐04)「Fôbeniuo(ホウベニヲ) サス」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

プラスチックワード

意味のあいまいなままに、いかにも新しい内容を伝えているかのように思わせる言葉。プラスチックのように自由に組み合わせ、さまざまな分野で手軽に使える語をさす。ドイツの言語学者ベルクゼンが提唱。「国際化」「...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android