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難波津 ナニワヅ

デジタル大辞泉の解説

なにわ‐づ〔なには‐〕【難波津】

上代、難波江にあった港。また、大阪港古名。[歌枕
「千鳥鳴くふけひの潟を見渡せば月影さびし―の浦」〈聞書集〉

王仁(わに)が詠んだという「難波津に咲くやこの花冬ごもり今を春べと咲くやこの花」の和歌。幼児の手習いの最初に習わせた。難波津の歌
「―をだに、はかばかしう続け侍らざめれば」〈若紫
和歌の道。和歌。

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百科事典マイペディアの解説

難波津【なにわのつ】

古代の大阪湾岸にあった港津。近世に大和(やまと)川の流路が付け替えられるまで大和川淀川難波の北東方で合流し,上町(うえまち)台地の北を通って大阪湾に流入したが,古代では上町台地の東方に大きな潟湖をつくり,上町台地の西方には三角洲を形成して,本流と多くの分流があったと考えられる。
→関連項目難波京

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世界大百科事典 第2版の解説

なにわづ【難波津】

古代の港。飛鳥時代から奈良時代にかけて最も重要な港で,難波御津(なにわのみつ)とも呼ばれた。現在の大阪市中央区三津寺町付近に比定される。摂津国という名はこの津に由来し,摂津職という官職によって管理された。遣唐使などの使節がここから出帆し,また外国からの使いもこの港に到来した。西国に派遣された防人(さきもり)は,この港に参集し,そこから任地に向かった。難波京の造営も難波津の立地と関連する。難波千田 稔】

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大辞林 第三版の解説

なにわづ【難波津】

◇ 古く、難波江にあった港。瀬戸内海航路の拠点。⦅歌枕⦆ 「 -を今日こそみつの浦ごとにこれやこの世をうみわたる舟/後撰 雑三
「難波津の歌」の略。 「まだ-をだにはかばかしう続け侍らざめれば/源氏 若紫
和歌の道。難波津の道。

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世界大百科事典内の難波津の言及

【港湾】より

…《日本書紀》には崇神天皇が〈船は国の要用なり〉と勅したとあり,また《古事記》には仁徳天皇のとき住之江(現,大阪市)に津を定むとある。記紀の記述の真偽はともかく,大宰府の外港として那津(なのつ)(現,博多港),畿内の門戸として難波津(なにわづ)(現,大阪市上町台地周辺)が開かれ,さらに瀬戸内海の沿岸にいくつかの泊が整備され,これらを重要交通軸として国の内外の交流が盛んに行われ,日本の国が形成されていったことは確かである。 古代の海運は手こぎが主で,後に帆を併用するようになったといわれる。…

【水運】より

…西国諸国から海上輸送された物資は,平安時代には与等津(よどつ)(現在の京都市伏見区淀町付近)で陸揚げされたので,与等津は平安京の外港としての役割を果たした。奈良時代までは,大阪市の上町(うえまち)台地西方にあった難波津(なにわづ)がもっとも重要な港湾であり,遣唐使の出帆港であり,また外国からの使節もここに到着した。大宰府の外港は娜大津(なのおおつ)(那津(なのつ))であり,付近には蕃客を接待する鴻臚館(こうろかん)(筑紫館)が設営された。…

【摂津国】より

…摂津国は大宝令制では特別行政区として摂津職(せつつしき)の管理下にあり,この官司の長官である大夫(たいふ)の職掌には,一般の国守の職掌にはみえない,港湾や船舶の管理また交易に関係して市場や度量衡の監督が規定されている。これは大化前代からの重要な港として難波津が存在し,朝鮮半島や中国大陸との外交事務や,難波市における交易に関係していたことによる。摂津国,津国の名称も難波津,武庫津の管理という意味からの呼称であり,その名称の成立は,半島や大陸との関係また国家支配の整備状況から推すと,6世紀以後と考えられる。…

【難波】より

…〈なにわ〉の語源には,上記《日本書紀》説以外に魚庭(なにわ)(魚の多い所)と解する説もある。浪速(花)之渡は難波済(《日本書紀》),難波之大渡(《古事記》)とも書かれるが,難波津と書くのが普通である。その位置については諸説あるが,上町台地の西麓から1km余り西の大阪市南区三津寺町付近とするのが有力である。…

※「難波津」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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