日本大百科全書(ニッポニカ) 「飽田」の意味・わかりやすい解説
飽田
あきた
熊本県中西部、飽託郡(ほうたくぐん)にあった町。現在は熊本市の南西部を占める地域。旧飽田町は1971年(昭和46)町制施行、1991年(平成3)熊本市に編入。地名は旧飽田郡に由来。旧町域自然堤防の交錯する白川氾濫(はんらん)原と、時代を異にした新旧の干拓地とからなる。低湿地帯であるため、水田(水稲、イグサ、麦)、ハス田が目だったが、1960年代末からの冠水防除事業の施行とともに、これまで裏作的地位にあった野菜栽培が、都市近郊の施設園芸農業(ナス、キュウリなど)としてその基盤を固めるに至った。また、有明(ありあけ)海沿いの地帯では、ノリ、アサリの養殖を兼業としている農家も多い。
[山口守人]
『花岡興輝編『飽田町誌』(1972・飽田町)』