精選版 日本国語大辞典 「駅館」の意味・読み・例文・類語 うまや‐たち【駅館】 〘 名詞 〙 大和政権が運営した交通施設。馬や人夫を常備した。令制の駅(うまや)に継承される。[初出の実例]「有司(つかさ)、便に尼等の三衣を奪ひて禁錮(からめとら)へ、海石榴市(つばきいち)の亭(ウマヤタチ)に楚撻(しりかたう)ちき」(出典:日本書紀(720)敏達一四年三月(前田本訓)) えき‐かん‥クヮン【駅館】 〘 名詞 〙 =えきか(駅家)[初出の実例]「勅。備後。安芸。周防。長門等国駅館。本備二蕃客一。瓦葺粉壁」(出典:日本後紀‐大同元年(806)五月丁丑)「宇佐の駅館に、宮づかさきんのりまうで来て侍りしに」(出典:為仲集(1085頃)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「駅館」の解説 駅館やつかん 大分県:宇佐市駅館宇佐宮に向かう宇佐使などのための宿舎で、参宮の拠点となった。「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にみえる宇佐駅の後身、あるいは近辺にあったと考えられている。駅館川右岸(東岸)の河岸段上(上田地内)に駅館の字名が残る。延徳三年(一四九一)書写の承和一一年(八四四)六月一七日の弥勒寺建立縁起(石清水文書)の注記に「依宇佐河之瀬号然云々、又此所名駅館也、駅路之故也」とみえ、駅館は宇佐川(駅館川)の瀬、すなわち同川左岸にあったと思われる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報