高〓(読み)こうべん(その他表記)Gāo Jiǒng

改訂新版 世界大百科事典 「高〓」の意味・わかりやすい解説

高駢 (こうべん)
Gāo Pián
生没年:?-887

中国,唐末の節度使。字は千里,幽州(北京)の人。禁軍将校から身を起こし,安南都護,静海軍節度使,天平軍節度使,西川節度使,荆南節度使を歴任して,党項タングート)や南詔討伐功績をあげた。黄巣の乱に際しては,浙東へ侵攻する黄巣軍を撃破して福建・広東方面への転進を一時は余儀なくさせ,諸道行営都統として官軍総帥となった。しかし治所揚州に居すわったままで,その後,長安を占拠した黄巣軍の討伐に積極的ではなく,形勢を観望するのみであった。結局,朝廷より反逆の疑いをうけ総帥の位を奪われた。生来,神仙・方術を好んだ高駢は,このころよりその耽溺の度がきわまり,異常な行動が多く,最後には部下に殺されてしまった。
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高 (こうけい)
Gāo Jiǒng
生没年:?-607

中国,宰相。渤海郡県の名族高氏を自称するが疑わしく,高句麗人説もある。代々北朝に仕え,高熲は楊堅隋文帝)の信任を得て尚書左僕射兼納言となった。陳朝平定には全作戦を指揮して隋の天下統一を実現させた。実務に明るく公正な人柄で,従来の門閥貴族と異なる新官人像を示す。その努力によって開皇の治(581-600)を生んだが,のち文帝に疎まれ,ついで朝政誹謗のかどで煬帝(ようだい)に殺された。632年(舒明4)に来日した唐使高表仁はその第3子と思われる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高〓の言及

【隋】より

…とりわけ地方行政制度をめぐる諸種の改革は,在地勢力の影響力を地方政界から排除し,地方分権的傾向の克服,中央からの威令の貫徹を可能にさせた一大事業として,中国史の上で特筆されるべき意義をもつ。こうした文帝の政治を支え,政策の立案・実行に加わったのは,高熲(こうけい),蘇威(534‐621)に代表される一群の官僚たちであった。彼らは,西魏=北周の漢人・北人(とくに鮮卑系)協力体制のなかから出身したことによって,一般に〈関隴(かんろう)集団〉とよばれ,すぐれた現実感覚,文武両道にわたる実務的能力を備えて隋の政界において指導的役割を果たした。…

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