高根沢(読み)たかねざわ

改訂新版 世界大百科事典 「高根沢」の意味・わかりやすい解説

高根沢[町] (たかねざわ)

栃木県東部,塩谷郡の町。人口3万0436(2010)。鬼怒川東岸に位置し,中央部を五行川,江沼川,野元川などが流れる。中心集落の宝積寺(ほうしくじ)は1899年東北本線の駅が開設されてから発展し,1922年の烏山線開通後は周辺農村の農産物集散地となった。良質米を産する穀倉地帯で,鬼怒川沿岸の低地は釜ヶ淵用水,五行川沿岸は市ノ堀用水(1656年開削)によって灌漑される。トマトなどの施設園芸や梨などの果樹生産,酪農も行われる。南部台地には1969年に千葉県三里塚から移転した宮内庁御料牧場がある。上高根沢の宇津家に江戸時代から家伝薬として伝えられた宇津救命丸の工場があり,1971年には麒麟麦酒栃木工場,72年には本田技研のテストコースが開設された。隣接する宇都宮市への通勤者が多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報