鯨蝋(読み)ゲイロウ

デジタル大辞泉 「鯨蝋」の意味・読み・例文・類語

げい‐ろう〔‐ラフ〕【鯨×蝋】

マッコウクジラツチクジラ頭部から採取した油を冷却・圧搾して作った蝋。石鹸せっけん化粧品などの原料となる。くじらろう。脳油

くじら‐ろう〔くぢらラフ〕【鯨×蝋】

げいろう(鯨蝋)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「鯨蝋」の意味・読み・例文・類語

くじら‐ろう くぢらラフ【鯨蝋】

〘名〙 マッコウクジラの頭部または脂肉脂肪を冷やして、油分を取り除いた結晶性の蝋。ろうそくなどをつくる。鯨脳油(げいのうゆ)げいろう。また、江戸時代にはろうそくの別名ともされた。
※雑俳・雪の笠(1704)「寸陰は積りちがいのくじら蝋」

げい‐ろう ‥ラフ【鯨蝋】

〘名〙 マッコウクジラ、ツチクジラの頭部から採取した油を冷却、圧搾してつくった蝋。ろうそく、せっけん、化粧品などの製造原料。〔稿本化学語彙(1900)〕

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百科事典マイペディア 「鯨蝋」の意味・わかりやすい解説

鯨蝋【げいろう】

マッコウクジラなどのハ(歯)クジラ類の頭部貯油組織から得られる油を冷却し,鯨油を分離したあと析出する固体蝋。純白色で真珠光沢を有し,主成分パルミチン酸セチルエステル。ケン化価118〜135,ヨウ素価3〜8。化粧品や軟膏などの増粘剤,蝋燭原料などに利用されたが,マッコウクジラの減少や捕鯨禁止により工業的に生産されることはなくなった。
→関連項目

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