日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳥刺し」の意味・わかりやすい解説 鳥刺しとりさし 鷹狩(たかがり)用の鷹の餌(え)となるスズメ、ハトなどの餌鳥(えとり)をとる小者。餌差(えさ)しともいう。江戸幕府では御鷹匠に所属、御鳥見の下で隠密を兼ねたこともあるといわれ、江戸・小石川などの拝領地に住んだ。頭巾(ずきん)に半纏股引(はんてんももひき)姿で、腰に小鳥を入れる籠(かご)、とりもち入れの小箱を提げ、大小両刀をさす。二間(約3.6メートル)余の竿先(さおさき)にとりもちを塗り、笛を吹いて、飛んでくる小鳥を刺す。寺社の境内、田畑、武家屋敷の近辺は禁じられていた。のちに鳥刺しは請負御用商人の手に属した。[稲垣史生] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例