朝日日本歴史人物事典 「鳥居清満(初代)」の解説
鳥居清満(初代)
生年:享保20(1735)
江戸中期の鳥居派の浮世絵師。2代鳥居清倍の次男と伝える。俗称亀次郎。鳥居家3代目当主。宝暦(1751~64)後期から明和期(1764~72)の浮世絵界を主導,芝居看板・番付絵のほか,細判役者絵や草双紙の挿絵が多い。画風は鳥居派の様式を遵守して穏やかであるが,力感・生動感にやや乏しい。明和後期,一筆斉文調,勝川春章の役者似顔絵の人気に押されて作を減じ,芝居看板と番付絵に専心したと推定される。鳥居清長らすぐれた門人を育て,鈴木春信らに影響をおよぼした。
(浅野秀剛)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報